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海をたずねて -地球とわたしたち-

第17回 予測につなげる研究続く

地震(1)

2006年7月、インドネシア・ジャワ島南西沖で地震が発生し、津波などで170人以上の犠牲者が出ました。地震は、いまのところ、確実に予測することはできません。しかし将来予測ができるように研究が進められ、被害を最小限にとどめる取り組みもつづいています。今回から地震について、3回のシリーズで見ていきます。

同じ地域でくり返し発生 データからパターン再現

ひとたび地震が起こると、さまざまな被害が生じます。地面のゆれによって建物がこわれるほか、道路にうまっているガス管などがこわれて火事になったり、地下水をふくんだ土地では、地盤がゆるんで水や砂が地上にふき出したり、建物がかたむいたりします。また、海の下で地震が起こると、海底面がもり上がったりしずんだりして津波が生じ、沿岸をおそいます。

日本は世界でも指折りの地震の多い国で、ここ数年でも、2003年に北海道・十勝沖地震、04年に新潟県中越地震、去年は宮城県沖地震と大きな地震がありました。

地震は、同じ地域でくり返し起こることがわかっています。内陸の地下で発生する内陸型地震の場合、くり返しの間隔は1000年以上、海の下で発生する海溝型地震の場合は、数10年から数100年という短い間隔で大地震が発生しています。

過去の例から、ここ数10年以内に大地震が起こるのでは、と警戒されているのが東海・東南海・南海地域です。この地域では、684年に大地震があったという記録がのこされており、長いときは260年以上、短いときは90年という間隔で、地震がくり返し発生しています。こうした間隔や規模のちがいの原因は何か、JAMSTECが研究を進めています。

巨大地震のくり返し

数字は発生年、()の数字は発生間隔。点線は可能性の強いことをしめします。石橋勝彦『大地動乱の時代』(岩波書店)の中の図を元に作成。


東海・東南海・南海地域のここ3回の地震は、1707年、1854年、1944年(東南海だけ、南海は46年)に起こっています。研究の結果、こういった地震発生パターンを、過去の地震の記録や、震源となる海の地下の探査結果などのデータから、スーパーコンピューター「地球シミュレータ」の上でも再現することに成功しました。最初に東南海・南海地震が同時に発生し、その後は東南海と南海との発生間隔が広がっていくこと、地震がくり返す間隔は短くなっていき、規模も小さくなるなどの傾向が、実際の地震と同じでした。

大地震は、台風などの現象にくらべ発生する間隔が長く、また、地球内部のできごとが原因で起こります。このため予測はむずかしいのですが、こうした研究で地震のくり返しの仕組みをつかむことは、予測につながるのではと期待されています。

実際の地震とシミュレーションの比較

左下の図が実際の地震です。シミュレーションの結果、1→2、2→3で間隔が短くなり、東南海と南海との発生間隔が長くなることが一致しました(図を拡大


地震のめぐみ?
地層や岩石などがわれ、ずれたところを断層といいます。断層ができると、切れ目のおかげで地下水がわきでてくることがあります。昔地震があったために、おいしい水がとれることもあるのです。
陸地の地下で起こる内陸型地震は、地表が近いので大きな被害をあたえます。しかし、くり返しの間隔が長いので、発生後は長い間、起伏のあるきれいな景観やおいしい水で、人々にめぐみをあたえるという一面もあります。

「マグニチュード」「震度」とは?

地震の記事によく出てくるのが、マグニチュード(M)と震度という単位です。
 マグニチュードは地震の規模をしめす単位で、地震そのものの大小がわかります。世界中共通の単位です。マグニチュードが2ふえると、エネルギーは1000倍になります。M5の地震は、M3の地震の1000倍の大きさ、という意味です。
 震度は、ある地点でのゆれをしめした数字です。地域によってちがい、震源から遠くなるほど小さくなります。気象庁は、全国約600地点にある計測震度計で自動観測しており、地震が起きると10段階の震度階級で速報します。

▽震度0
 人はゆれを感じない。
▽震度1
 一部の人がわずかにゆれを感じる。
▽震度2
 電灯などつりさげたものがわずかにゆれる。
▽震度3
 ほとんどの人がゆれを感じ、棚にある食器が音を立てることがある。
▽震度4
 おそろしさを感じ、一部の人は身の安全をはかろうとする。
▽震度5弱
 棚にある食器や本が落ちる。
▽震度5強
 補強されていないブロック塀の多くがくずれる。自動車の運転は困難。
▽震度6弱
 窓ガラスなどが落下し、こわれる木造住宅が出てくる。
▽震度6強
 鉄筋コンクリートの建物でもこわれるものが出てくる。人は、はわないと動けない。
▽震度7
 大きな地われ、地すべりや山くずれが起き、地形がかわることもある。

※このページの内容は、2006年11月16日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。