第18回 海と陸から仕組みに迫る
地震(2)
2006年11月15日、北方四島の択捉島沖で地震が発生し、気象庁は北海道沿岸などに津波警報を出しました。海にかこまれた日本で、どうして地震がたくさん起こるのでしょうか。「地震」シリーズ2回目は、地震発生の仕組みをみてみましょう。
深海の現場を探査し地上の「化石」調べる
地球の表面は、十数枚の「プレート」とよばれる岩板にわかれています。上に陸地をのせているものを「大陸プレート」、海をのせているものを「海洋プレート」といいます。プレートは、厚さが約100キロの板で、決まった方向に、年に数センチ動きます。このプレートの動きが、地震の原因であると考えられています。
大陸プレートと海洋プレートがぶつかると、海洋プレートは、大陸プレートの下にしずみこんでいきます。海洋プレートがしずみこむとき、大陸プレートの先端もいっしょに引きずりこまれ、ゆがみがたまっていきます。そのゆがみにたえられなくなった大陸プレートは、元にもどろうとしてはね上がります。このときのゆれが地震です。こうした仕組みで起こる地震を、「海溝型地震(かいこうがたじしん)」といいます。海溝とは、海洋プレートのしずみこむ場所で、深く長い溝のような地形をした海底のことです。
また、大陸プレートの内部は、海洋プレートにおされて大きな力がかかります。このためプレート内部の岩石などがひびわれたり、こわれたりして地震が発生します。これを「内陸型(直下型)地震(ないりくがた(ちょっかがた)じしん)」といいます。
地震発生の仕組み
1・プレートの境目では、陸側の大陸プレートの下に海洋プレートがしずみこんでいます
2・海洋プレートがしずみこむとき、大陸プレートの先端もいっしょに引きずりこまれます
3・プレートの中のゆがみが限界になると、大陸プレートの先端部分がはね上がり、地震が発生します
地震の規模をしめすマグニチュード(M)が8をこえるような巨大地震の多くは、プレートがぶつかる境目で起こります。ここ100年で、地球から放出された全地震エネルギーのおよそ85パーセントが、海溝型地震によるものでした。内陸型地震の場合は、エネルギーが小さめ(ほとんどがM7以下)でも、わたしたちのくらす街のすぐ下で起こるために被害が大きくなるといった特徴があります。
日本はユーラシア大陸のはしにあり、4つのプレートがせめぎ合う、世界でもめずらしい地域です。ちょうど境目のところに日本列島が位置しており、これが地震の多発する原因です。
JAMSTECは、海溝型地震について、有人潜水船で海底を探査していますが、地上でも研究員が、地震の化石ともいわれる「シュードタキライト」を発見しました。地震が起こると、震源では地層がずれます。そのときの摩擦熱でとけた岩がかたまったものがシュードタキライトです。これを調べることで、地震のエネルギーの大きさや、プレートの構造などがわかります。そのとき、震源では何が起こったのか。地震発生の仕組みをさぐる手がかりになりそうです。
深海の地震現場
有人潜水調査船「しんかい6500」(写真右下) がとらえた海底のわれ目です。三陸沖の日本海溝、水深約6270メートルで発見しました。このあたりは、1933年の昭和三陸地震(M8.1)の発生現場の近くです。 (写真を拡大)
地震の化石「シュードタキライト」
2003年、高知県南部で発見されました。地震が起きたとき、地層がずれて生じる摩擦熱で岩石がとけ、ガラス化してかたまった黒い岩です。写真では黒いすじのようにみます(右下は現場からとってきたかけら) (写真を拡大)
過去の「地震のなごり」が地表に
過去のプレートがしずみこんでいる場所では、過去の堆積物がつみかさなって、地震でできた断層がおし上げられます。そうして「地震の化石」が地上で見られるようになるのです(図を拡大)
※このページの内容は、2006年11月30日に朝日小学生新聞に掲載された記事の抜粋です。内容は、掲載当時のものであり、現在の状況とは異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。



