
海水中の温室効果
気体は,海面での大気・海洋相互作用,海洋の循環,海水中での生物・化学反応などを通
して,大気中の温室効果気体の濃度と密接な係わりを持っています。例えば,二酸化炭素の場合,その大気中の濃度の増加は,化石燃料の消費量
などから予想される増加量を下回っており,これは,化石燃料起源の二酸化炭素の約6割が大気中に残存しているものの,残り4割のかなりの部分が海洋に吸収されているためではないかと考えられています。
大気・海洋間の交換量の推定をするためには,各温室効果気体について,表面
海水中での濃度とそのすぐ上にある大気中での濃度を知る必要があります。海水中の濃度の方が大きければ,その海域は大気に対してその温室効果
気体の発生域となり,逆に,大気中の濃度の方が大きければ,その海域は吸収域となります。しかしながら,一般
に,温室効果気体の表面海水中の濃度は,季節や場所により大きく異なり,大気に対しての発生域と吸収域の分布は一様ではありません。
海洋は,さまざまな温室効果気体を含んでいますが,特に二酸化炭素のもととなる炭素については,大気中の50倍以上をイオンや有機物などの形態で含んでいることから,地球温暖化などの気候変動を評価する際には,炭素の循環を全球規模で把握する必要があります。