日本にとって身近な黒潮
 熱帯赤道海域には,年平均の海面 水温が29℃を越える暖かい水が存在します。ウォームプール(暖水域)と呼ばれる暖かい水の塊は,ニューギニア北岸から日付変更線にかけての赤道域にかけて日本の約30倍の面 積をもって広く分布するもので,東から西に吹く卓越した貿易風に吹き寄せられて形成されます。  黒潮は,東シナ海からトカラ列島をすり抜けて日本列島の南岸を北上する本流と日本海を通 る対馬海流に分かれます。日本列島の太平洋岸を北上する本流は,ベーリング海に端を発する親潮との合流により4月のプランクトンの大発生を促すなど豊かな漁場を形成します。 黒潮は,古代より日本にとって漁業資源だけでなく,海上交易や温暖な気候をもたらす海流として身近な存在でした。現代では,国際的に集中して行われるようになった海洋観測や人工衛星による地球観測の結果 ,地球規模の周期的な気候変動メカニズムの解明にむけて,黒潮の役割をさらに詳しく知ることが重要になってきました。