プログラム

13:00~13:05 開会の辞
平 朝彦(海洋研究開発機構 理事長)
13:05~13:25 趣旨説明 -講演会の聴きどころ-
深澤 理郎(海洋研究開発機構 執行役)
13:25~14:00 MJOと熱帯気象
米山 邦夫(海洋研究開発機構 大気海洋相互作用研究分野長)

台風以外の熱帯における気象・気候研究は1960年代以降本格化したと言われています。特に1971年に熱帯では日々の天気の変化よりも長く、季節変化よりも短い30-60日の周期で雨や風が変動していることが米国の研究者マッデンとジュリアンによって発見され、マッデン・ジュリアン振動(MJO)と名付けられたその現象は現在でも多くの研究者を惹きつけ、また現業機関によって人工衛星や数値モデルを使って日々その動向が監視されています。そもそも熱帯気象とは日本などの中緯度の気象や気候と何が違うのでしょうか?MJOに関する最新の観測や数値モデルの結果を理解するのに必要なイロハを紹介します。
14:00~14:35 観測からわかったMJO
久保田 尚之(海洋研究開発機構 大気海洋相互作用研究分野 研究員)

熱帯の海面水温が28度以上の暖水域で発達する大規模な雲活動であるMJOについて、JAMSTECの観測船をはじめ、国際協力で大気と海洋の観測を行ってきました。気象衛星で見るとMJOは長さ1000km以上の巨大な雲活動ですが、観測を行うと大半が曇り空で激しい雨を伴う活発な雲活動は、実は一部であることがわかります。赤道西部太平洋やインド洋で実施してきた観測から明らかになったMJOについて、その構造や発生に着目して解説します。
14:35~14:50 休憩
14:50~15:25 数値モデルによる再現の試み
宮川 知己(東京大学 大気海洋研究所 特任助教)

MJOの持つ様々な時間・空間スケールの雲システムが入れ子になった多重構造を精密に再現することが出来る全球雲システム解像モデル「NICAM」は、地球シミュレータ/京コンピュータなど強力なスーパーコンピューターの力を得て世界のMJO研究の先頭を走っています。2007年に世界に先駆けてMJOの精密な再現に成功し、2014年には約1ヶ月先までMJOの動向を予測出来ることを示しました。最新のモデル研究事情を紹介します。
15:25~16:00 Years of the Maritime Continent -MJOの解明に向けて-
森 修一(海洋研究開発機構 大気海洋相互作用研究分野長代理)

インド洋から東進するMJOは、インドネシアを中心とする"海大陸(Maritime Continent)"を通過する際に一時的に見えなくなるほど弱くなり、西太平洋に出ると再び発達する不思議な性質を持ちます。暖かい海と大小島嶼で構成される海大陸は、沿岸域の活発な日変化対流と南北両半球から吹き込むモンスーンにより活発な降水域の1つです。この海大陸を通過するMJOに一体何が起きているのでしょうか?また逆に、MJOは多様な生態系を育む海大陸の環境にどんな影響を与えているのでしょうか?我々は対流からモンスーンまで多岐にわたる海大陸の気候変動研究として、日米仏豪を中心とした国際プロジェクトYMC(Years of the Maritime Continent:2017-2018年度)を計画し、MJO研究を通じた貢献を主導しています。
16:05~16:55 パネルディスカッション
講演者ほか
16:55~17:00 閉会の辞
白山 義久(海洋研究開発機構 理事)