プログラム・講演要旨

13:00~13:05 開会の辞
平 朝彦 海洋研究開発機構 理事長
13:05~13:25 趣旨説明 -講演会の聴きどころ-
立入 郁 海洋研究開発機構 統合的気候変動予測研究分野 分野長代理
13:25~14:00 国際交渉に対する気候モデルの貢献と今後への期待
田辺 清人 地球環境戦略研究機関 上席研究員(IPCCインベントリータスクフォース 共同議長)

地球温暖化問題に関する国際条約である「気候変動に関する国際連合枠組条約(気候変動枠組条約)」が1992年に採択されてから、今年で25年になります。同条約の下で、世界各国は、気候変動が人類にもたらすであろう悪影響をなるべく避けるための方策について国際交渉を重ねてきました。京都議定書(1997年合意)やパリ協定(2015年合意)は、そうした国際交渉の賜物です。そして、国際交渉における合意形成には、世界中の科学者の数多の研究成果に基づく助言が、重要な役割を果たしてきました。中でも、将来の気候の状態の予測に役立つ気候モデルから得られる科学的知見は、国際交渉の進展に大きく貢献してきたと言えます。この講演では、その歴史を振り返るとともに、今後ますます重要になるであろう気候モデルへの期待を語ります。
14:00~14:35 地球温暖化と海の記憶
建部 洋晶 海洋研究開発機構 気候モデル高度化研究プロジェクトチーム ユニットリーダー

人為起源温室効果ガスの増加に伴う「地球温暖化」。耳にする機会の増えて久しいこの単語ですが、その観測的事実や気候モデルを用いた将来予測の実際については、意外と知られていないように思います。本講演では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書やパリ協定の科学的基盤として活躍してきた気候モデルの仕組みとその活用例、現状の問題点に触れます。また、大気と比べて温まりにくく冷めにくい、つまり、長い記憶を持つ海の特質が、我々の生活に直接的な影響を及ぼす海水位の将来的な変化にどのように寄与しうるのかを解説します。
14:35~14:50 休憩
14:50~15:25 炭素のめぐりと気候の予測
羽島 知洋 海洋研究開発機構 気候モデル高度化研究プロジェクトチーム ユニットリーダー代理

将来の気候を予測することは、わたしたちの今後の世界を見通し、社会や生活のあり方を考えていく上で重要です。講演タイトルにもある「炭素」が、なぜ気候の予測に関係するのか? それは、温室効果ガスである二酸化炭素(CO₂)に炭素が含まれるからです。そしてその大気中の濃度は、われわれ人間のCO₂排出量だけでなく、海洋や陸域生態系のCO₂交換量から大きく影響を受けます。本講演では、このような炭素循環(炭素のめぐり)が気候の予測においてどう考慮されているのか、そしてその予測結果がパリ協定等でどのように活かされているのかといった点についてご紹介します。
15:25~16:00 風と熱のシミュレーションで都市の暑熱対策を考える
焼野 藍子 海洋研究開発機構 気候変動適応技術開発プロジェクトチーム 特任技術研究員

昨今の地球温暖化とヒートアイランド現象の複合的な影響で、日本の夏季の熱環境は年々悪化しています。私たちは、人々の多く集まる都市街区内や公共施設周辺での暑熱環境を、風と熱の大規模シミュレーションで、定量的に予測、評価できるようにしました。地方自治体などで、政策として暑熱対策に着手する際には、このような科学的知見に基づいた対策指針が役に立つと考えられます。私たちは現在この技術を用いて、実際に自治体関係者と協力して、人が多く集まる大規模施設などの暑熱環境改善に向けた取り組みを実施しています。講演では、このような暑熱対策を考える際に有用な大規模シミュレーションの紹介と、具体的な適用事例の紹介をします。
16:05~16:55 パネルディスカッション
埼玉県環境科学国際センター 原 政之 研究員
講演者ほか
16:55~17:00 閉会の辞
白山 義久 海洋研究開発機構 理事