
「生物群集の構造や組成の解析」及び「化学合成生物群集の分散過程の検討」では、従来から継続して調査している相模湾・沖縄トラフ・小笠原海域などの化学合成生物群集について調査を行った。さらに、西太平洋域の生物地理を検討する上で重要な北部マリアナトラフの第二春日海山の熱水噴出孔生物群集についても調査を行った。第二春日海山では、山頂部の水深約400m地点で熱水噴出孔生物群集を見いだした。群集組成は、小笠原海域の海形海山と近縁な種が多く出現した。一方、冷水湧出帯生物群集に関しては、北海道釧路沖では深海曳航調査を行い、水深1200m地点でシロウリガイ類などからなる化学合成生物群集の存在を新たに発見した。これは日本周辺から北部太平洋の沈み込み帯にかけてのシロウリガイ類の分散過程を解き明かす手がかりの一つとなるであろう。「環境要因と生物生態の関係」では、相模湾において、シロウリガイの繁殖生態に関する研究及びシンカイヒバリガイ類の成長速度測定などの現場実験を行った。また、鹿児島湾のハオリムシ類の発生実験などを試みた。「有用物質の検索」では、シロウリガイ類・ハオリムシ類の持つ有用物質の検索を行ない、シロウリガイの有機溶媒抽出物中に抗腫瘍物質の副作用を抑える物質が存在することを明らかにした。
![]() 化学合成生態系とは? 化学合成生態系の地学背景 化学合成生態系の特徴 化学合成生態系に生息する生物 |
![]() 冷水湧出帯生物群集 熱水噴出孔生物群集 鯨骨生物群集 |
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「中層生物の生態学的研究」及び「中層生物群集の構造、組成、生物量の解析」では、相模湾、小笠原海域、日本海溝で潜航調査を実施し、多くの新種動物の発見や行動観察などを行った。
次々に明かされる未知の生物
地震から9年経過しても
死骸は残存している!