21世紀気候変動予測革新プログラム

近未来予測研究チーム・自然災害分野の影響評価の研究代表 沖大幹氏が
第4回(平成19年度)日本学術振興会賞及び日本学士院学術奨励賞を受賞しました

日本学術振興会賞は、優れた研究成果をあげ、今後の活躍が特に期待される若手 研究者に対して贈られる賞です。受賞対象となった研究課題は、 「地球規模の水循環変動と世界の水資源需給の予測」で、気候変動に関する 政府間パネル(IPCC)第4次評価報告等をはじめ、国内外における水資源問題に関す る解決指針への寄与が受賞の理由となっています。

今年度は、23名の受賞が決定され、このうち5名以内に 日本学士院学術奨励賞が授与されることになっており、 沖氏は両賞の受賞となりました。授賞式は、3月3日(月)に日本学士院にて行われました。

【研究業績】日本学士院web-siteより

沖 大幹氏は本研究において、全地球の水循環と水収支を種々の観測および 世界の水利用に関する膨大なデータに基づき定量的に推定し、大気と陸面の 相互作用および人間活動の影響も考慮して将来の水資源需給を予測可能なモデルを 構築しました。この研究は地球規模の水循環変動および世界の水資源に関する研究分 野を新たに開拓した先駆的なものです。特に、沖氏が開発した大気―陸域水収支法は その後各国の研究グループにより広く用いられており、また同氏の水収支・水循環の 予測や世界の水ストレス分布に関する研究は、地球温暖化が水資源に及ぼす影響の評価、気 候変動に関する政府間パネル報告や国連生態系アセスメント、および日本政府の水と衛生分野に 関わるODA政策の基礎となっています。

このように、沖氏の研究は研究面で国際的に極めて高く評価されるとともに、世 界の水資源問題の解決への指針を与えるものです。


水資源不足指標(水ストレス指標)