21世紀気候変動予測革新プログラム 平成22年度公開シンポジウム

開催報告

 平成22年8月27日(金)一橋記念講堂(学術総合センター内、東京・千代田区)において、21世紀気候変動予測革新プログラム(以下、「革新プログラム」という)による、平成22年度公開シンポジウム「気候大変動の時代に生きる〜未来選択の道しるべ・長期予測〜」を開催致しました。

 今回は、西岡秀三プログラム統括の進行のもと、文部科学省 加藤善一 大臣官房審議官のご挨拶でスタートしました。  第1部では、松野太郎プログラム統括より、革新プログラムの概要と今回のシンポジ ウムの趣旨について解説があり、続いて、革新プログラムとそれに関連する研究活動の中から、「温暖化抑制目標の策定に気候モデルはどう役立つか」(講演者 河宮未知生、海洋研究開発機構 チームリーダー)、「極域の氷床変化に伴う海面上昇〜将来見通しとその不確実性」(講演者 阿部彩子、東京大学大気海洋研究所 准教授)と題し、炭素循環の予測モデルや極地に堆積した氷に刻まれた過去の変動に関する最先端の研究成果について講演が行われました。

 第2部のパネルディスカッションでは、ゲストパネリストに、環境ジャーナリスト の枝廣淳子氏、江守正多氏(国立環境研究所 室長)、安井至氏(製品評価技術基盤機構理事長)、安成哲三氏(名古屋大学教授)の4名をお招きして、第1部の講演者とともに、「気候政策の鍵を握る科学的知見」に関して、それぞれの立場からのコメントを発表、聴衆からのご意見にお応えするスタイルで討論が進行しました。

 地球温暖化をはじめとした気候変動の問題について、社会的関心の高まりを実感するとともに、その対応の難しさと科学的知見への期待を強く感じるシンポジウムとなりました。


■シンポジウム風景