2. 領域的な水循環解析
(1)紅海沿岸の砂漠緑化面積による降雨量の変化
世界最高速の「地球シミュレータ」を利用して、アラビア半島の地形および地表面条件を高解像度(1km×1km)で
再現計算することが可能となっている。本プロジェクトでは、数種類の地質および植生条件で、2000年の気象
および降雨量を領域大気モデル(RAMSおよびMM5)で数値計算している。予備計算の結果では、5,625平方km
の砂漠地域を草地に緑化した場合、高山地帯の降雨量が増加する可能性があることが分った。

a) 砂漠 b) 草地
c) 砂漠 d) 草地
図. 4 計算領域および植生条件 図. 5 地表面の降雨量(上段)および鉛直断面の空気中水分比率(下段)


(2) 降雨促進実験計画
凝結核を散布する際の問題である航空機の経済性および危険性を避けるために、凝結核容器を多数の気象観測用気球に搭載して、放流する計画である。
領域気象モデルで気球経路を逆解析して、気象観測用気球を雲低に到達させるために、気球の放流位置、時期および浮力を調整する。(図.6)
図. 6 降雨促進実験計画のイメージ図