断層物性研究グループ

グループ概要

断層物性研究グループは、海溝型巨大地震発生の場であるプレート沈み込み帯の地震発生帯科学掘削などによって得られた掘削コア試料や検層データを最大限に活用して、断層帯およびその周辺の各種物理・化学特性の解明、応力場の計測、地震断層の活動歴とすべり挙動の解析を行い、物質科学に基づいて地震の発生場と地震発生プロセスを包括的に理解することを目指して研究を進めています。また、これらの目的を達成するために、研究手法および試験装置の開発に取り組んでいます。



研究内容

我々の研究グループは、メンバーがそれぞれ持つ得意分野からの最新の研究成果を有機的に連携させて,地震の根源である震源断層の実態解明という共通の目標に向かって、日々の研究に邁進しています。本グループが設立してから約10年の間に、我々は主として、東北地方太平洋沖地震調査掘削(略称JFAST)、南海トラフ地震発生帯掘削(NanTroSEIZE)、台湾チェルンプ断層掘削(TCDP)等の地震断層掘削科学を推進し、掘削コア試料、掘削データならびに陸上のナチュラルアナログ試料等を活用して、地震断層とそのすべり挙動の解明や地震発生の場の状態解明研究を行うとともに、掘削コア試料の高度な解析手法を開発してきました。我々の行っている代表的な研究のテーマを以下に示します。

  • 断層物質の低-高速摩擦・力学特性
  • 地震断層運動に伴う発生ガスの定量化と発生機構
  • 掘削コア試料の流体移動特性と地震時の間隙水圧変動
  • 天然断層に記録されている地震時の動的すべり挙動の解明
  • 沈み込み帯掘削孔内の応力状態の測定と時空間分布
  • コア試料の測定と検層データの解析による応力測定
  • 原位置条件における掘削コア試料の熱物性、比抵抗、弾性波速度測定
  • 歴史地震の痕跡調査
  • 海底下天然資源の調査研究



地震時に断層が高速で滑る現象を再現した実験


世界初の流体制御型摩擦実験装置。
実際の深部環境下における地震断層すべりを模擬した摩擦実験を行うことが可能です


天然断層の露頭と地質調査の様子。化石化した陸上の地震断層を調査し、
過去にどのような地震すべりが起こったのか、すべりがどのように記録されているのかを研究します


掘削コア試料の非弾性ひずみ回復(ASR)測定(左)と、検層のイメージデータ(右)を用いた
ブレークアウト解析により、応力測定の研究を行っています



萩谷名号碑(高知県土佐市) by Tanikawa Wataru on Sketchfab

歴史南海地震の記録を残した高知県内の石碑3Dアーカイブ化の取り組み
(図は土佐市の安政南海地震碑)
地震災害記録をヒントに、過去の地震プロセスの推定も行っています。



高知県地震津波碑の3Dモデルによるデジタルアーカイブ化

本研究はJSPS科研費 JP15K12487の助成を受けたものです。


グループメンバー


石川 剛志 グループリーダー【兼務】
上席技術研究員

廣瀬 丈洋 グループリーダー代理
主任研究員

谷川 亘 主任研究員

濱田 洋平 研究員

岡崎 啓史 研究員