室戸編[四国サイエンスマップ]

このエリアの基本情報

場所

高知県 室戸(室戸岬 乱礁遊歩道,日沖,行当岬など),徳島県 宍喰

交通アクセス

室戸岬まで
自動車 高知市または徳島市から国道55号線を南下。
室戸岬 阿南海岸国定公園,乱礁遊歩道まで約2時間半
電車・バス JR安芸駅またはJR甲浦(かんのうら)駅から 高知東部交通バス利用。室戸岬バス停にて下車。
行当岬まで
自動車 高知市から国道55号線を南下。 行当岬およびキラメッセ室戸前海岸まで約2時間。
電車・バス 土佐くろしお鉄道奈半利駅→高知東部交通バス室戸岬ホテル・甲浦行き乗車 約30分。平尾第一バス停にて下車。徒歩すぐ
日沖まで
自動車 高知市または徳島市から国道55号線を南下。室戸岬の東海岸沿い。
旧日沖漁港付近の黒い巨石が目印。
バス 高知東部交通バス 日沖漁港前バス停にて下車

文化

室戸岬の灯台

室戸市は高知県の東の突端に位置します。なかでも黒潮がぶつかる室戸岬は、その荒々しさから 若き日の空海(774〜835年)が厳しい修行を行った地、また、日本最古の日記文学である土佐日記の著者 紀貫之(きのつらゆき・886年〜945年)が、海路で土佐から京へ戻る際、思わぬ停泊を余儀なくされた海の難所としても知られています。

現在は、岬の高台に国内最大の光量を誇る灯台が設置され、160万カンデラの光が四国沖を航行する船舶の安全を支えています。


このエリアの基本情報

室戸岬周辺は、付加体が陸上に姿を現す場所として、また、いろいろな種類の岩石が分布する、とてもユニークな場所です。

写真:旧日沖漁港の大礁 2008,人間(岩の左側)と大きさを比べてください

日沖の大礁/枕状溶岩

室戸岬の東海岸には、過去の海底火山の活動のようすを示す溶岩や、玄武岩が固まってできた岩塊が多数あります。“日沖の大礁(おおばえ)”は、旧日沖漁港(日沖バス停前)にある、今から6,500〜2,500万年前にできたと考えられている高知県最大級の枕状溶岩です。

大礁全景

日沖漁港海岸の枕状溶岩

日沖漁港海岸の枕状溶岩

大礁全景

枕状溶岩とは、海底で噴出したマグマが海水によって急冷されて硬くなり、枕状あるいはチューブを積み重ねたような形状になったもので、玄武岩(火山岩の一種)でできています。写真は大礁の一部を拡大したもので、丸いかたまり(1つが直径100〜150cm)のようすがよくわかります。枕状溶岩は通常、上部が丸く膨らみ、下部はへこんで固まることから、この大礁は上下が逆さまになっていることがわかります。これはかつて標高の高いところにあった岩が転がり落ちた際、上下が反転したためと考えられています。

ビシャゴ岩/深成岩(斑れい岩)

室戸岬 乱礁遊歩道 ビシャゴ岩

マグマが浮力や地殻変動で大量に移動するとき、岩石や地層を割りながら岩脈と呼ばれる板状の流れを作って進むことが知られています。この現象は「マグマの貫入」と呼ばれています。

室戸岬 ビシャゴ岩 南側の斑れい岩と花こう岩

室戸岬 ビシャゴ岩 南側の斑れい岩と花こう岩,2008

乱礁遊歩道にあるビシャゴ岩は、マグマが海底噴出してできた大礁とは対照的に、マグマが貫入した後、これらが地下深部で固化することによって生成した斑れい岩(深成岩の一種)であり、今から約1,800万年前と生成したと考えられています。
また、ビシャゴ岩の南側には黒い石(斑れい岩急冷相)に白っぽい石(花こう岩・深成岩の一種)が入りこんでいる部分があります。これはマグマがシルト岩(海底に堆積した泥でできた岩石)に貫入した際、その高温によって周囲のシルト岩が溶け(堆積岩の花こう岩化)、すでに固化しかかっている斑れい岩の割れ目に沿って流れ込んだためにできたと考えられている、珍しいものです。

タービダイト/砂岩泥岩互層

砂岩泥岩互層とも呼ばれ、灰褐色の砂岩と黒色の泥岩からなる互層です。普段は泥が堆積しているような場所にときどき混濁流が入り、砂がもたらされるような環境で生成されます。写真では層が縦になっているのが見えますが、これは当時の地層が周囲の岩盤ごと約90度の傾きで押し付けられているためです。なお、室戸岬のタービダイトは2,600万年前の地層ですが、付加体の隆起や過去の南海地震(室戸周辺では、南海地震が起こるたびに1〜2m隆起することが知られている)によって陸上に姿を現したと考えられています。

行当岬 キラメッセ室戸前 海岸, 2008

行当岬 キラメッセ室戸前 海岸, 2008

写真はタービダイトを拡大したもので、黒い層は厚さ約2cm。砂岩(白色)と泥岩(黒色)は、それぞれ細かい層が積み重なって構成されていることがわかります。

また、徳島県宍喰地方では、大規模なタービダイドを陸上で見ることができるほか、化石漣痕(かせきれんこん:リップルマーク)と呼ばれる、今から約3,000〜4,000万年前の海底にできた波の模様(土砂の堆積による)が化石となり、その後の地殻変動で陸上に姿を現すことで現在の状態になった、国指定の天然記念物などがあります。

自動車 室戸岬東側の国道55号線で宍喰へ。309号線で橋の下を通過してすぐ。
看板あり
電車・バス JR宍喰駅から海岸に向けて徒歩約20分

徳島県 宍喰 海岸付近,2008

今後掲載予定:
・空海の生きた時代,みくろどうは波打ち際だった?:ノッチ,ポットホール(乱礁遊歩道)
・室戸市と高知市は南海地震のたびにシーソーのように動く:隆起と陥没のスピード

このように室戸周辺は、世界遺産ならぬ“地球遺産”として世界的にもユニークな場所なのです。日本ジオパークの一つとして認定され、室戸ジオパーク推進協議会がユネスコの世界ジオパークEnglish)登録に向けて活動しています。あなたも室戸や行当岬などを散歩して地球遺産に触れてみませんか?

このページの最初に戻る