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数理科学・先端技術研究開発センター(MAT)

研究者紹介

森重 学(Manabu Morishige)

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ポストドクトラル研究員
国立研究開発法人 海洋研究開発機構
数理科学・先端技術研究開発センター

〒236-0001 神奈川県横浜市金沢区昭和町 3173-25
morishigem_at_jamstec.go.jp Personal Web Page


Short CV

マントル流動の数値計算によって得られた予測と実際の観測結果との比較に基づいて、日本をはじめとする沈み込み帯周辺の温度場・流れ場・流体分布の解明を目指しています。
対象とする観測:地震波速度異常・地震波速度異方性・スラブの形状・地殻熱流量・スラブ内地震分布・プレート境界型地震分布・火山分布・スロー地震の分布など

Employment

2009年4月〜2012年3月 日本学術振興会特別研究員DC1 (受入機関:東京大学大学院理学系研究科)
2012年4月〜2014年10月 日本学術振興会特別研究員PD (受入機関:海洋研究開発機構)    *2012年6月〜2013年8月 ミシガン大学(アメリカ合衆国)に滞在
2014年10月〜2017年3月 京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設 研究員
2017年4月〜現在 海洋研究開発機構 数理科学・先端技術研究分野 ポストドクトラル研究員

Education

2007年4月〜2009年3月 東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 修士課程
2009年4月〜2012年3月 東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 博士課程

Research Topics

カスカディアと西南日本における短期的スロースリップイベント:プレート形状と浸透率の異方性の影響 (Morishige and van Keken, 2017)
カスカディアや西南日本では、短期的スロースリップによるすべり量と沈み込むスラブの形状に良い相関が見られます。スロースリップの発生には流体が関与していることを考慮すると、これはスラブの複雑な形状によって、スラブから放出された流体が3次元的に移動した結果を見ていると考えることができます。そこでスラブの形状が、岩石の隙間に存在する水流体の移動に与える影響を調べました。ここで流体は、スラブ直上の蛇紋岩内を浸透率の異方性のためにスラブ表面に対してほぼ平行に移動すると仮定しました。その結果、スラブが膨らんでいる部分では流体が集まるように移動し、そこでの流体量が増加することが分かりました。したがって、このモデルによってスロースリップによるすべり量とスラブ形状との関係を定性的に説明することが可能です。
スラブ直上の低粘性層がスラブとマントルのカップリングに及ぼす影響 (Morishige, 2015)
沈み込むスラブの直上に薄い低粘性層を置くことで、スラブとマントルの運動をデカップリングさせ、多くの沈み込み帯の前弧領域で観測される低地殻熱流量をうまく説明することができます。このようなスラブとマントル間の運動のカップリングの状態が島弧横断方向の温度場や流れ場に大きな影響を与えることは長い間知られてきました。この研究ではそれらを更に発展させ、低粘性層によるスラブとマントル間の運動のカップリングの状態が島弧伸張方向の温度場・流れ場にまで大きく影響する可能性を初めて示しました。具体的には、低粘性層内の粘性率が十分に低いとき、主に低粘性層の内部で3次元的な流れが生じ島弧伸張方向の温度変化を作り出します。また、仮定する低粘性層の厚さによっては得られた温度場の波長が東北地方で観測される火山グループの間隔(~80 km)と良く一致することも明らかにしました。

Publications

Original Publications (Peer-Reviewed)

  • Morishige, M. and van Keken, P.E., Along-arc variation in short-term slow slip events caused by 3D fluid migration in subduction zones, Journal of Geophysical Research Solid Earth, 122, 1-15, doi:10.1002/2016JB013091, 2017.
  • Morishige, M., A new regime of slab-mantle coupling at the plate interface and its possible implications for the distribution of volcanoes, Earth and Planetary Science Letters, 427, pp262-271, doi:10.1016/j.epsl.2015.07.011, 2015.
  • Morishige, M. and van Keken, P.E., Along-arc variation in the 3-D thermal structure around the junction between the Japan and Kurile arcs, Geochemistry, Geophysics, Geosystems, 15, pp2225-2240, doi:10.1002/2014GC005394, 2014.
  • Morishige, M., and Honda, S., Mantle flow and deformation of subducting slab at a plate junction, Earth and Planetary Science Letters, 365, pp132-142, doi:10.1016/j.epsl.2013.01.033, 2013.
  • Yoshida, M., Tajima F., Honda, S., and Morishige, M., The 3D numerical modeling of subduction dynamics: Plate stagnation and segmentation, and crustal advection in the wet mantle transition zone, Journal of Geophysical Research, 117, B04104, doi:10.1029/2011JB008989, 2012.
  • Morishige, M., and Honda, S., Three-dimensional structure of P-wave anisotropy in the presence of small-scale convection in the mantle wedge, Geochemistry, Geophysics, Geosystems, 12 (12), Q12010, doi:10.1029/2011GC003866, 2011.
  • Morishige, M., Honda, S., Tackley, P. J., Construction of semi-dynamic model of subduction zone with given plate kinematics in 3D sphere, Earth, Planets and Space, 62, pp665-673, doi:10.5047/eps.2010.09.002, 2010.
  • Morishige, M., Honda, S., and Yoshida, M., Possibility of hot anomaly in the sub-slab mantle as an origin of low seismic velocity anomaly under the subducting Pacific plate, Physics of the Earth and Planetary Interiors, 183, pp353-365, doi:10.1016/j.pepi.2010.04.002, 2010.
  • Honda, S., Morishige, M., and Orihashi, Y., Sinking hot anomaly trapped at the 410 km discontinuity near the Honshu subduction zone, Japan, Earth and Planetary Science Letters, 261, pp565-577, doi:10.1016/j.epsl.2007.07.028, 2007.