JAMSTEC

令和元年に開始された数理海底地形科学研究プログラムでは、これまで深層学習による海底地形画像解析の高解像度化及びスパースモデリングによる海底地形画像解析の高度化に取り組んで参りました。今後は、これらの解析手法をさらに発展させて、画像特徴量抽出により得られた海底地形構造パターンを防災・環境・生物・資源などの各ドメインの知識と融合し、海底地形の成り立ちやそれが与える影響を明らかにします。この研究プログラムで確立された画像解析手法により既存の粗い海底地形データから同じ海域の詳細な海底地形データを作成することができます。これは、日本財団―GEBCO Seabed2030計画において、十分なデータが集まらない海域へ応用することにより、多大な貢献を成すものです。

研究内容

I

機械学習を用いた超解像による高解像度・高精度海底地形図の作成
深層学習やベイズ推論などの機械学習手法を用いることで、現有の粗い海底地形図を超解像し、詳細かつ高精度な海底地形図を作成する

II

機械学習を用いた画像特徴量の抽出

III

抽出された画像特徴と各フィールドデータとの照合により海底地形を形成するに至ったメカニズムや資源形成・生物活動などとの関連を解明する

Special Scheme

日本財団-GEBCO Seabed 2030計画への貢献

ブローシャ


数理海底地形科学ブローシャ(PDF:4.79MB)

研究実施体制

総括
木川栄一 (付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター データサイエンス研究グループ))
研究スタッフ
笠谷貴史 (海洋機能利用部門 海底資源センター)
桑谷立 (海域地震火山部門 火山・地球内部研究センター 固体地球データ科学研究グループ)
松岡大祐 (付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター データサイエンス研究グループ)
日髙弥子 (付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター データサイエンス研究グループ)
村上幸史郎(付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター データサイエンス研究グループ)
余野央行・植木俊明 (株式会社海洋先端技術研究所)
技術スタッフ
木戸ゆかり (研究プラットフォーム運用部門 運用部 研究航海マネジメントグループ)
金子純二 (海洋機能利用部門 海底資源センター 物理特性グループ)

トピックス

2023/07/19
2023/11/07 ~ 11/08 Map the Gapsが開催されました。
2023/07/19
(Seabed2030) 7/12-14の3日間にわたりSouth and West Pacific Regional Mapping Community Meetingが開催されました。
2023/06
GEBCO 2023年版グリッドデータが公表されました。
2023/05/02
モナコ大公アルベール2世が海洋の4分の1がマッピングされたことを発表
2022/10/18
(Seabed2030) 2022/10/26 ~ 10/28 GEBCO Weekが開催されました。
2022/10/18
(Seabed2030) 2023/01/10 ~ 12 CSBWG13が開催されました。
2022/06/28
日髙 弥子研究員らが日本情報地質学会で論文賞を受賞
2022/05/27
(Seabed2030) 海底地形グリッドデータの高度化に係る連携を目的として海上保安庁 海洋情報部と共同研究についての附属書を締結しました。
2022/05/19
スパースモデリングを用いた成果論文がSensors誌に掲載されました。
2022/05/19
(Seabed2030) 7/5-7/7にSouth and West Pacific Regional Mapping Community Meetingが開催されました。
2022/03/23
(Seabed2030) 2022/03/07 ~ 10 CSBWG12が開催されました。
2022/03/23
(Seabed2030) 2021/11/30 ~ 12/02 GEBCO Weekが開催されました。
2021/07/16
(Seabed2030) 7/21-23の3日間にわたりSouth and West Pacific Regional Mapping Community Meetingが開催されました。
2021/03/26
(Seabed2030) 2021/09/14 ~ 16 CSBWG11が開催されました。
2021/03/26
(Seabed2030) 2021/03/30 ~ 04/01 CSBWG10が開催されました。
2021/03/26
2021年1月19日~21日に2021 NOAA-JAMSTEC Bilateral Joint Executive Meetingが開催され、プロジェクトの進捗状況を報告しました。
2021/03/26
(Seabed2030) 2021/01/11 ~ 15 GEBCO Weekが開催されました。
2020/07/15
(Seabed2030) DARWINの海底地形調査航跡図がNOAA/IHO/DCDBサイトから閲覧可能になりました。
2020/06/29
(Seabed2030) CSBWG9がオンライン開催されました。
2020/06/23
(Seabed2030) 6/23-24と2日間にわたりSouth West Pacific Regional Mapping ConferenceがNIWAホストにてオンライン開催されました。

研究成果(論文、学会発表等)

2023年
  • Yono O, Kuwatani T, Ueki T, Kikawa E., Removal of MBES Point Cloud Data Using Sparse Coding, Proceedings WR-17 & AIG-14, Sendai, Japan, Aug. 18-22
2022年
  • Taku Yutani, Oak Yono, Tatsu Kuwatani, Daisuke Matsuoka, Junji Kaneko, Mitsuko Hidaka, Takafumi Kasaya, Yukari Kido, Yoichi Ishikawa, Toshiaki Ueki, Eiichi Kikawa, Super-Resolution and Feature Extraction for Ocean Bathymetric Maps Using Sparse Coding. Sensors 2022, 22(9), 3198; https://doi.org/10.3390/s22093198
2021年
2020年
  • Mitsuko Hidaka, Daisuke Matsuoka, Tatsu Kuwatani, Yukari Kido, Junji Kaneko, Takafumi Kasaya, Eiichi Kikawa, and Yoichi Ishikawa, Deep convolutional neural network approaches for the super-resolution of bathymetric maps, AGU Fall Meeting 2020: Virtual, December 1-17 2020
  • 日高 弥子, 松岡 大祐, 桑谷 立, 金子 純二, 笠谷 貴史, 木戸 ゆかり, 石川 洋一, 木川 栄一, 機械学習を用いた海底地形図の超解像, 海と地球のシンポジウム2020, オンライン開催, 2020年12月17-18日
  • Mitsuko Hidaka, Daisuke Matsuoka, Tatsu Kuwatani, Yukari Kido, Junji Kaneko, Takafumi Kasaya, Eiichi Kikawa. Super-resolution for seafloor topography using deep convolutional neural networks. JpGU - AGU Joint Meeting 2020: Virtual. 12-16 July 2020. (Poster)
  • 桑谷 立. 海洋研究開発機構海域地震火山部門における情報地質関連研究, 情報地質, 2020, 31, 2, p. 53-55, doi: 10.6010/geoinformatics.31.2_53
~2019年
  • Tatsu Kuwatani, Earth materials science in a data-driven paradigm. Elements, 2019, 15, 4, p. 280-281, doi: 10.2138/gselements.15.4.280
  • 桑谷 立. 地球科学プロセス解明のためのデータ駆動型解析 ― 地質学分野における応用例―. 情報地質, 2018, 29, 2, p. 49-60, doi: 10.6010/geoinformatics.29.2_49