ちきゅうレポート

「高井さんに聞いてみよう」コーナーに
お寄せ頂いた質問に回答いたします!
2010年10月7日


海底下の地下堆積物にはどのぐらいの数の微生物が存在しているのですか?


めちゃんこいます。これまでの研究で、地球表面の約7割を占める海洋地殻の堆積物には、サイコロくらい(1立方センチメートル)に100万細胞を超える大量の微生物が存在し、その多くは未だ分離・培養されたことのない海底下固有の微生物群であることが知られています。

そのため、海底下に広がる環境は、陸域や海域などの表層生命圏とは異なる「第三の生命圏」と言われ、その実態解明に向けた研究が行われています。



コアの中の微生物を地上に持ち帰って培養すると聞いたのですが、今までに成功例はあるのでしょうか?もしよければ、どんな微生物が培養されているのかも教えてください。


実は、海底下のコアから直接培養できる微生物ってものすごく少ないんですよ。まったく培養できていないという訳ではないんですが、培養できたものの多くは、「実は海底下でがんばって生きていた奴」ではなくて、実験のミスで実験室で紛れ込んできた奴とか、海水や陸上に生きていた奴が、「仮死状態」で海底下に潜んでいて、それがいい環境になって復活してきたというものが多いんです。
それでもコチーフ・タカイのように1031(テンサイ)であれば、なんとかかんとか培養できる例もあります。とはいえ、まだまだ真の海底下を支配しているような微生物はとれないんです。
それは、ソイツらがギリッギリッ微生物だからなんですね...。

今回の沖縄トラフは、「仮死状態」のやつとかギリッギリッ微生物では、とてもとても生き残れない激しい環境なので、逆に、元気のある微生物だけが生きていると考えています。
ですから、これまで以上に、生きた微生物が培養できると思っています。期待してくださいね。

ちなみにコチーフ・タカイお気に入りの微生物をひとつあげるとしたら、海底下に存在する水素と二酸化炭素からメタンを作るメタン菌です。
役に立つ微生物でもあるし、地球最古の生命の生き残りなんですよ。