準備はオーケイ?編

2013/02/02

川口 慎介(海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域)

ただいま2月2日21時,この文章は成田空港で書いております。22時発の飛行機に乗って12時間かけてドバイへ,その後さらに7時間かけてモーリシャスに向かいます(遠いよモーリシャス)。乗船研究者のうち,現地の研究者との研究打ち合わせのある西澤首席らはすでにモーリシャス入りしており,現地で活動をはじめている模様です。
決して「インド洋の貴婦人」と呼ばれるモーリシャスのリゾートホテルで白い砂浜と青い海を眺めながらトロピカルジュースに舌鼓を打っているようなことはありません(よね?)。

さて,ワタクシこの三日間ほど「陸での残した仕事は無いかしら」「船に持って行くモノはちゃんと準備できているかしら」というようなことを悶々と考えソワソワする日々を過ごしました。年数回の航海に参加するワタクシですが,それでも毎度毎度,こんな感じで悶々ソワソワな具合になってしまいます。こればかりは性格でイカンともしがたいです。

特にワタクシ自身はガスを研究対象にしておりまして,研究に使う標準ガスというものが必要になります。これは50mLぐらいのサイズのステンレスボトルに密閉して運ぶのですが,これがもう,見た目が完全に,手榴弾なんですね。なのでこれを持って飛行機に乗ろうとすると,空港の荷物検査で「これなに?」みたいな話になり「研究で使うの。安全だから大丈夫よ」と伝えるモノの「安全ならこのバルブを開いてみせろ」とか言われるんです。でもこれには大事な標準ガスが入っているわけで,こちらとしても開けるわけにはいかない。「安全だけど開けられない」「安全なら開けてみせろ」の押し問答はもちろん解決することはなく,ワタクシの先輩には結局飛行機に乗れなかった,などという人もおるわけです。ちなみに今回は,こういう問題になりそうなガスはすべて出港時に「よこすか」に積み込んでいる(はずな)ので,無事出国することが出来そうです。

そろそろ搭乗です。次回はいよいよ,モーリシャスからお届けするZ!


写真:昨年9月にインド洋研究のシンポジウムが行われたモーリシャスのホテル。
シンポジウムの会場だから泊まらなきゃしょうがないよね(ニッコリ)