ソリティア熱水域は上野毛道場!編

2013/02/14

川口 慎介(海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域)

【燃える闘魂】
QUELLE2013のQUEST-1で訪問するインド洋の4つの熱水域は,それぞれ「かいれい」「エドモンド」「ドードー」「ソリティア」と命名されています。「かいれい」はJAMSTECの船舶「かいれい」の航海で発見したため,「エドモンド」は海底熱水化学研究のパイオニアであり発見年に亡くなったエドモンド教授を,その名の由来としています。2009年に我々が発見した2つの熱水域については,故玉木賢策首席(当時東大教授)による命名理由が残されているので,下に紹介します。

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Dodoはモーリシャス島で1693年に絶滅。Solitaireはロドリゲス島に生息していたドードーの亜種で1730年に絶滅。本命名は、生命の神秘と生物多様性を象徴する深海熱水フィールドに、絶滅種の名前を使用することによって、生物多様性の重要性を喚起することも意図している。
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こうした熱水域の命名に加え,熱水域内に存在する各チムニーにも名前をつけています。「ソリティア熱水域」の熱水噴出チムニー群については,発見潜航者である高井研によって命名が行われ,「チムニー三本が並んで立ってるから闘魂三銃士(Toukon-3)」「二本並んでるから天コジ(Tenkoji)」「小さいからライガー(Liger)」と決まりました(論文にもしっかり掲載されています)。彼らも鬼軍曹・山本小鉄のキャデラックの排気音が聞こえたら震え上がるのでしょう。


写真:「マスカラ・コントラ・カベジェラ」に敗れた近藤竜二(福井県立大)