素敵な星空の下で

2013/03/14

宮崎 淳一(海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域)

「あっ、南十字星!」
「残念、あれは通称"ニセ十字"と呼ばれるやつで、本物はあっちなんだよ」
「おおっ! でも、ニセの方が大きいし、目立つね・・・」
「そうだね。はじめて見る人は、みんな戸惑うと思うよ」
「それにしても、こんなにクッキリ天の川が見えるなんて、なんてきれいな夜空なんだろう」

「あっ、流れ星だっ!!素敵な恋人ができますように(-人-)。ついでに海況も良くなり、調査ができますように」
「・・・・・・・(調査のお願いが先だろっ!)」
「あれ、なんだ?あの光は・・・」
「えっ・・・あぁ〜〜〜〜〜」

とまあ、くだらない台詞以外は実際の昨夜の様子です。
南半球では日本とは違う星空が楽しめます。
日本では見ることができない星座がたくさん見えるだけでなく、日本でお馴染みの星座も逆さまだったりして戸惑います。
そして、何と言っても美しい天の川!

私達は、こうして満点の星空を見上げることで、天気に邪魔されて予定通り進展しない調査への苛立ちを癒している・・・・・・・わけではありません!!
実は、今夜はキャプテンの男気と、クルー&チームの気合によって、OBEM回収を夜通しブッ続けで行ってくれているのです。
思うように調査が進展していなかった研究者側としては、本当に感謝感激です。
星明り以外に一切の光が無い漆黒の海を、サーチライトを照らして揚がってきたOBEMを追跡する様子は、普段の潜航調査航海では見られない幻想的な光景でした(写真)。
OBEM回収に携わった全てのみなさま、本当にお疲れ様でした。

そして!いよいよ明日!!
ついに潜航調査ができるかも・・・というところまで来ました。
調査期間の半分が虚しく過ぎ去った後に訪れた、初潜航のチャンス!
このチャンスを何としてもモノにして、第二回、第三回、第四回、第五回、・・・・・・・第十一回潜航へとつなげていきたいです!!
頼むぜ、サザンクロス!!!

海底電磁力計


写真: なんだっ?!あの光は?!


写真: 揚がってきたOBEM回収作業を行うために船から照らされたサーチライトでした。光の中にOBEMが見えます。