2013/04/26
舩窪 舞(海洋研究開発機構 広報課)
本日の潜航者は日本大学の荒さん。サンパウロ海嶺の崖下のサンプル採取に向かいます。
写真1:荒さんはサンパウロ大学海洋研究所で博士課程修了(博士号取得)。
ブラジルの公用語であるボルトガル語が堪能で、日本人とブラジル人乗船者のつなぎ目を果たすキーパーソン。お世話になったブラジルへの恩返しのつもりでこの航海に参加しているそうです。
本航海では、化学合成生物群集の一つであるシンカイヒバリガイ類の遺伝子解析を目的としたサンプル採取のために乗船しているとのこと。世界各地で見つかっているシンカイヒバリガイ類ですが、その生息域が散在しているため、どこから来て、どのように世界の海に広がったのかがまだ分かっていないそうです。
普段は相模湾江の島沖の沿岸浅海域でプランクトン生態系や水質環境の研究をしている荒さんですが、今回の潜航は今後の研究に広がりが出る経験だったとのこと。
「深いところもいいですね〜みなさんがなぜ深海に情熱を傾けているのか分かった気がします。人生変わっちゃいそうな体験でした。
水深2〜300mから海底近くまでキラキラ光る発光生物がたくさん見えましたよ。
海の生物はほとんどが光ると言っても過言ではないんです!イワシの仲間だっておなかを発光させて深いところから見ると太陽の光に紛れて見つかりにくくしています。」
写真2:お約束の洗礼でびしょびしょながらも興奮冷めやらぬ様子。
写真3:細かい生物サンプル処理が続きます。生物毎に小分けした後、一つ一つの状態を記録してから、凍結処理や薬品(ホルマリン、エタノール、グルタルアルデヒドなど)に浸けて持ち帰る。
写真4:大小さまざまなサンプル瓶。