セミナー情報(2017年度)

第15回 新機能開拓研究グループセミナー

第15回 新機能開拓研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者10名)
開催日時
2017年8月7日(月)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部 本館1階 第2セミナー室
タイトル
たんぱく質変性防御機構の分子論的解明
講演者
清水青史(Department of Chemistry, University of York, UK)
ホスト
磯部紀之(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
酵素は、深海のような極限環境において、高温や高圧といった変性ストレスにさらされる。しかし、実際に極限環境に生息する生命体は、体内に糖や糖アルコール、アミノ酸誘導体などといった浸透圧調整物質(オスモライト)を蓄積することで酵素の変性を防ぎ、生命活動を維持する。オスモライト研究は盛んに行われてきたが、分子レベルでどのように変性を抑制するかは依然として未解明であった。そこで本講演では、近年発表者が開発した統計熱力学厳密論が、オスモライトの浸透保護メカニズムを定量的に明らかにしたことをお話ししたい。水とオスモライトと酵素の間に存在する相互作用は、弱い・非特異的・動的といった複数の相互作用から成るため、統計的手段によってのみ正確に記述できる。今回、統計熱力学厳密論を用いることで、酵素周辺でのオスモライトの局在が変化することが、変性抑制作用の起源であることが明らかになった。このようなメカニズムは、生活科学、特に食品科学における糖や糖アルコールによるゲル化にも見出される普遍的なものである。

第14回 新機能開拓研究グループセミナー

第14回 新機能開拓研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者16名)
開催日時
2017年7月6日(木)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部海洋生態研究棟1階 第3セミナー室
タイトル
回転分子モーターに対する圧力の影響と、マイクロリアクタを用いた新しいスクリーニング技術
講演者
野地博行東京大学大学院工学系研究科 応用化学専攻 教授)
ホスト
出口 茂(海洋生命理工学研究開発センター)
要旨
本発表では、2つの話題を提供したい。1つ目は回転分子モーターであるF1-ATPaseに関する1分子生物物理学的研究、2つ目は超微小リアクタアレイを用いた新しい生体分子検出とスクリーニング技術に関するものである。F1-ATPaseは、ATP合成酵素の触媒ドメインであり、単独ではATPを分解して回転する分子モータータンパク質として知られている。その原子構造と構造ダイナミクスはよく研究されており、各反応素過程と回転の関係もおおよそ解明されている。本発表では、圧力や温度などの物理化学パラメーターがF1の各反素過程にどのように影響するかを示し、圧力特有の効果について議論したい。また、超微小リアクタの話題に関しては、最初に分析対象分子を1分子単位でリアクタ中に封入しその信号を計数するデジタルバイオ分析法を紹介する。その後、リアクタ中での無細胞タンパク質合成反応を利用した新しい酵素スクリーニング技術についても紹介したい。

第13回 新機能開拓研究グループセミナー

第13回 新機能開拓研究グループセミナー様子
セミナー風景(参加者16名)
開催日時
2017年5月24日(水)15:00~16:00
開催場所
横須賀本部海洋生態研究棟1階 第3セミナー室
タイトル
生体分子機械を観る、操る、壊す、創る
講演者
飯野亮太自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター 教授)
要旨
生体分子で出来た機械は、分子を構成する複数の部品がうまく協調しながらなかなか巧みに働きます。そんな分子機械の代表例である分子モーターが一方向に動く仕組みを「観る、操る、壊す、創る」という4つのアプローチで調べるお話をさせて頂きます。特に最近のマイブームは「壊す」と「創る」です。ただ、「創る」のはまだあまりうまくいっていないので、我々の試行錯誤と野望をご紹介させて頂きます。