川上 創

プロフィール

Hajime Kawakami

むつ研究所 北太平洋時系列観測研究グループ
(兼務:地球環境変動領域 物質循環研究プログラム 海洋物質循環研究チーム)
技術研究主任

連絡先

独立行政法人 海洋研究開発機構  むつ研究所 試料分析棟
〒 035-0022 青森県むつ市大字関根字北関根690番地 
TEL: 0175-45-1023 FAX: 0175-45-1079

研究テーマ

西部北太平洋における粒状有機炭素沈降量の経時変化に関する研究

234Thを用いた北西部北太平洋における生物ポンプ能力評価に関する研究

234Th(トリウム234)とは

海水中に天然に存在する短寿命(半減期24.1日)の放射性核種。親核種は、海水中に天然に存在する放射性核種である238U(ウラン238,半減期45億年)。海水中で溶存として安定に存在する238Uとは異なり、234Thは、海水中でほとんど粒子として存在し、有機物などの他の粒子に吸着し易い性質を持つ。沈降粒子に吸着した234Thが共に沈降する性質を利用して、海洋表層からの粒子の沈降量を見積もるトレーサーとしてよく用いられている(例えばBuesseler, 1998)。

生物ポンプ能力とは

大気中の二酸化炭素は、海洋に溶けるという形で吸収される。吸収された二酸化炭素は、表層に存在する植物プランクトンの光合成という働きによって有機物の粒子に固定される。この有機物の粒子(粒状有機炭素,POC)が中深層へ沈降することにより、海洋が生物的に二酸化炭素を吸収していることになる。この能力のことを「生物ポンプ」と呼んでいる。

海洋における炭素循環の模式図

海洋における炭素循環の模式図

北西部北太平洋における生物ポンプ能力

北西部北太平洋は、植物プランクトンの増殖に必要な栄養塩が豊富にあるため、生産性が高く、生物ポンプ能力も高い海域だと言われている(例えばTakahashi et al., 2002)。これまでの研究によって、北西部北太平洋における年間のPOC沈降量は、31 gC m-2 y-1であり(Kawakami and Honda, 2007)、全海洋平均の値(13 gC m-2 y-1, Lutz et al., 2007)の2倍以上であることが判った。

北西部北太平洋におけるPOC沈降量(POC flux)の季節変動

北西部北太平洋におけるPOC沈降量(POC flux)の季節変動

履歴

1997 北海道大学大学院水産学研究科博士後期課程退学
1997~2001 海洋科学技術センター(現海洋研究開発機構)海洋観測研究部
2002~現在 海洋研究開発機構 むつ研究所
2009 北海道大学大学院環境科学院論文博士取得

論文リスト(査読あり)

その他

  • PADI アドバンスド・オープンウォーター・ダイバー
  • 全日本スキー連盟 1級