観測装置・実験装置の開発について:
研究の必要に迫られて、観測装置や実験装置を随分作ってきました。売り物を組み合わせればいいのに、とか、誰かに作らせればいいという意見もありますが、現場を知らない故の限界もあります。新しいこと、未知の世界に切り込むためには装置の製作が必要なこともあります。私の場合、この道に入る以前からの電気趣味とチャレンジ精神によって自作の道を選んでしまったので、今日も持てる限りの技を駆使して、装置の開発に挑んでいます。
開発よろず相談承ります
こんなものがあったら助かる、こんな装置がほしい、というものがありましたらご相談ください。製作まではいかなくても、開発プランの提案やデバイスの紹介はできると思います。
開発環境
MITS AutoLab(プリント基板加工機)
Agilent 34401A(デジタルマルチメータ)
Tektronix DPO2014B(デジタルオシロスコープ)
Fluke 1587(絶縁抵抗計)
菊水電子 PMM18-2.5DU(安定化電源)
Weller WE2000D(デジタルリワークステーション、はんだごて)
National Instruments LabVIEW, FPGA+Realtime modules(データ計測、シリアル通信、リアルタイム制御)
Mathworks, MATLAB(画像処理)
Microchip, MPLAB X(PICマイコンプログラム開発環境)
Custom Computer Services, CCS-C(PICマイコン用C言語)
Cadsoft, Eagle(プリント基板設計CAD)
Linear Technology, LTSpice IV(電子回路シミュレータ)
技術
LabVIEWによる組み込み、制御ソフトウェア開発
Microchip PIC10〜18シリーズCPUを使った組み込み開発
アナログ、デジタル回路設計
プリント基板設計
電子部品・基板実装、パネルデザインなど
これまでに開発した装置
実験室用二次元酸素オプトード
堆積物−水境界の酸素濃度を可視化する装置です。センサには光励起すると、酸素消光性を持ったりん光を発する色素を用い、検出器に特殊なCCDカメラ(PCO製Sensicam Sensimod)を使用します。このカメラを使いこなすには、励起光源の発光とカメラのシャッター制御に制御装置が必要になります。カメラは市販品がありますが、制御装置は売り物が無いためワンチップマイコンやFPGAで開発し、制御ソフトウェアも自作しました。
現場型二次元酸素オプトード
上記オプトードを深海の海底現場で用いるため、機能とサイズを削り耐圧容器に入れたものです。カメラの制御にWindows PCが必要なため、小型のボードに自動運転スクリプトUWSCを搭載、人間の代わりにマウスとキーボードを操作させることによって目的を達成しています。
PIV(Particle Image Velocimetry)システム
二次元酸素オプトードに使う制御装置の励起発光・シャッター制御のタイミングを変更すると、PIVシステムに早変わりします。FPGAボードに新たなプログラムを書き込み、PIVシステムを試作しました。
海底検出センサ
LEDとフォトトランジスタを使った、フォトインタラプタ型の海底検出センサです。実際には、組み込みマイコンに内蔵する判定プログラムとペアで使用します。
自律型ランダーシステム
一種の水中エレベータです。浮力材を積んだフレームに鉄の錘を載せることで観測装置を海底に運び、測定を行った後で錘を投棄、浮力を得て浮上します。日本ではあまり運用されていませんが、実は科研費で開発できる、コストパフォーマンスの高い観測装置、もっと普及することが望まれます。
深海リモコン
潜水艇を使って深海で装置を制御できます。原理はテレビのリモコンと同じですが、水中では赤外線の減衰が高いため、発光素子と受光素子を接触させて使います。高価な水中着脱コネクタは不要です。
電蝕促進タイマー
海水中に放置すると一定時間後に切断される電蝕フューズは、現場実験装置などに重宝します。しかし、このフューズは正確な切断時間を読めないという問題もあります。電蝕促進タイマーを使えば、正確な時間で切断が可能になるため、ランダーシステムの非常用切り離し装置などにも応用が効くようになります。
現場時系列撮影カメラ「OguriView」

卒論以来、海底を時系列観測するカメラの開発に携わって来ました。写真は8年ほど前に開発したものですが、現在のバージョンはリアルタイムクロックを搭載した低消費電力シーケンサを使っており、実際に小型ハイビジョンカメラと組み合わせた運用を行なっています。
ユニメーターをPC接続:USBユニメーター
市販の簡易型吸光光度計「ユニメーター」にA/D変換機を取り付け、USB化しました。これにより読み取り精度の向上と、沢山のサンプルを測定する際の労力軽減を達成できます。バスパワー駆動のため本体の電池は不要です。ご興味をお持ちの方は筑波総合科学研究所までご連絡ください。装置・ソフトウェアの概要はこちらをご参照ください。
微小電極用ピコアンメーター
クラーク型の微小酸素・硫化水素電極のためのピコアンメーターです。McGinnis et al. (2011), LOMethodsの回路を参考にしました。ポラリゼーション電圧の可変範囲は±1.2Vです。ピコアンペアオーダーの電流を安定に増幅させるためには、高度な実装技術が要求されます。
サンプルカウンター

元素分析計に取り付けるサンプルカウンターです。今何個目の試料を測定中かがひと目で分かります。PICマイコンを使用しており、製作コストは非常に低いです。生物地球化学チームの方々が使ってくれています。
自動バルブ切り替え装置「くるくるLC」
液クロのカラムで「メビウスの輪」を作るために試作した制御装置です。一定時間ごとにバルブが切り替わり、試料はカラムの中を回り続けます。実験の目的は達成できませんでしたが、自動バルブ制御の見本にはなったと思います。
おまけ:Raspberry Piで遊ぼう
小型Linuxマシン、Raspberry Piを使うと簡単にI/O制御や各種通信プロトコルに基づいたデータ取得が可能になります。PICやArdiunoより電力消費量は高いですが、PythonやCに対応しているためパソコン感覚で使えること、さらにはethernetやWi-Fi接続ができ、Apacheやvncといったサーバ構築にも対応するため、装置開発や制御ボードとして大きな可能性を秘めています。
最終更新日 May/9/2013
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海洋・極限環境生物圏領域
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