地球環境変動領域 (Research Institute for Global Change)
海洋環境変動研究プログラム
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研究船によって高精度な観測を実施し、熱や化学物質の海盆規模での分布や輸送、さらにはその時間変動を研究します。
私たちの研究チームでは、海洋の最も基本的な現象である「海水の動き」について研究しています。海水は様々な空間スケールをもった動きをしていますが、ここでは太平洋やインド洋といった比較的大きなスケールでの動きに注目しています。この大洋スケールの海水の動きは、海洋と大気との間での熱や二酸化炭素の交換を通して、10年以上の比較的長い時間スケールで気候に大きな影響を及ぼしています。また、海洋の表面近くだけでなく、1000〜2000mの中深層の海水や、さらに深い海域の海底付近にある底層水の動きも気候への影響に関係してきます。これは、海洋表面で取り込まれた熱や二酸化炭素が、海洋の循環に乗って海洋内部に運ばれるためです。
ここでは、海洋がどのようにして地球の気候変動にかかわっているのかを解明するために、海洋内部での熱の蓄積量の変化や人為起源CO2蓄積量の変化などの調査を行っています。特に中深層での変化は重要な意味を持ちますが、その値はとても小さく、検出するためには非常に高精度な測器を使用した高い観測技術が必要です。
この小さな変化を捉えるために、私たちは観測船を用いて大洋の西から東へ、または北から南へと縦・横断して詳細な観測を実施しています。
実施終了または今後実施を予定している高精度観測ライン.
海洋地球研究船「みらい」
観測する場所は主に、10年前後の過去に一度実施された観測ラインです。同じ場所を再度測定して両者を比較し、微小な変化を捉えようとしています。各観測地点では、水温、塩分、流向・流速、溶存酸素、栄養塩、全炭酸、全アルカリ度、pH、フロン類、炭素同位体といった多様な項目について、高精度かつ詳細な測定を行っています。
フレームに取り付けられた
採水ボトルと測定機器類.
太平洋の南北観測ラインに沿った海中に溶けている酸素の断面分布.
太平洋の南北観測ライン上での2007年と1993年の水温差.
これら多様な項目の高精度観測によって、これまでに、南極海起源の底層水の流路に沿った昇温現象の発見や深・底層水での人為起源CO2増加の検出などに成功しました。
得られた観測データは品質管理を行った後で広く一般に公開しており、世界中の海洋研究に貢献しています。
このような高精度観測を中心とした研究活動を行っていくことで、海洋内部の微細な変化の詳細を明らかにするとともに、数値モデルを利用した高度なデータ処理から、より確からしい情報を得るための解析も行い、長い時間スケールでの地球の気候変動に果たす海洋の役割を明らかにすることを目指しています。
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