地球環境変動領域 (Research Institute for Global Change)
海洋環境変動研究プログラム
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中・高緯度の海域を対象として、大気と海が相互に与え合う影響を明らかにするために、
船舶やブイなどによる観測を実施しています。
かつて、中・高緯度の海域では「海洋は大気から一方的に影響を受けるのみ」と考えられていました。
しかしここ10年ほどの研究により、中緯度の海洋が大気に与える影響 も無視できないほど大きいことが明らかになってきました。 その影響が特に大きいと考えられているのが、西岸境界流と呼ばれる黒潮やメキシコ湾流の周辺です。
黒潮やメキシコ湾流は、熱帯の暖かい海水を中・高緯度の海域に運んでいます。また、大陸のすぐ東側を流れるため、冬季は大陸からの冷たく乾燥した季節風に曝されます。このため日本南岸の黒潮やその東方に伸びる黒潮続流の周辺海域では、大量の熱が海洋から大気へと放出されています。
この海域においてブイや船舶などによる観測を行い、海洋の内部における熱輸送・水塊輸送の変動や、海洋が大気に与える影響などを明らかにするのがこのチームの目的です。
我々のチームはアメリカのNOAA/PMEL(アメリカ海洋大気庁・太平洋海洋環境研究所)と共同で黒潮続流域の南北に係留ブイを設置しています。北側のJKEO地点にはJAMSTECが開発したK-TRITONブイが、南側のKEO地点にはNOAAのKEOブイがそれぞれ係留されており、海の水温、塩分の他、海上気象要素を観測しています。

海洋から大気に輸送される乱流熱フラックス(潜熱と顕熱の和).
人工衛星データから推定した値1月の平均値(J-OFURO2データ).
これは、大気海洋間の熱輸送量を正確に把握するほか、海水温の変化に大気がどのように応答しているか、また大気の変動に海洋表層がどのように応答しているかを調べることを目的としています。更にこれらのブイには海洋表層の二酸化炭素分圧を測定する機器も搭載されています。黒潮続流域は世界有数の二酸化炭素吸収域であり、この観測により海の二酸化炭素吸収量やその変動がより正確に分かるようになり、温暖化研究や海洋生態系研究に貢献することが期待されています。
更に係留ブイだけではなく、船舶による現場観測も行っています。ラジオゾンデによる高層気象観測を行うことにより、黒潮・黒潮続流周辺の高い海水温の影響が大気のどの高さまで、どのように及んでいるかを調べます。また、XCTD(投棄式水温塩分計)などを用いた観測により、海洋中の微細構造や小スケールの水塊・物質輸送過程を明らかにすることを目指しています。
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