
太平洋・インド洋の熱帯域には独特の大気・海洋の変動現象が形成され、地球全体の気候にも影響を及ぼします。なかでもエルニーニョ、インド洋ダイポールモード現象、モンスーン、および大気の主要な変動であるマッデン・ジュリアン振動は、互いに関係しつつ人々の生活や経済活動に深く関わっています。このプログラムでは、海洋に係留プイ観測網を展開してエルニーニョやダイポールモード現象の変動の仕組みを研究し、インドネシア・インドシナ半島域を含む西太平洋からインド洋の熱帯域で高精度の海洋・大気・陸域の観測を行ない、日周期から年変動までのモンスーンに関わる水循環やマッデン・ジュリアン振動の発生・発達の仕組みとその影響を研究して、これらの現象と相互関係を明らかにしていきます。
アジアモンスーンに伴う水・エネルギー・物質循環の維持と変動の機構を理解し、気候変動との関係を解明するため、インドシナ半島から環南シナ海・海大陸における現地観測と数値モデル実験、各種気象・気候データの統計解析に基づく研究を行ないます。
世界有数の降水量を持つ「海大陸」域における積雲対流活動が熱帯気候の維持・変動に果たす役割を理解するため、現地レーダー網や高層ゾンデ、安定同位体分析、歴史的気象資料等を用い対流活動の日変化から年々変化にわたる多重スケールの観測的研究を行います。
熱帯域でみられる、季節内変動に関連する現象の階層構造や相互関係に関する理解を深めるため、島嶼や船舶・航空機からのレーダー・ゾンデ等による観測を中心に、数値モデル・客観解析・衛星データ等を用いた研究を行います。