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セディメントトラップ係留系の回収に成功

記事更新日:
2011年10月11日
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2011.10.2

カナダ砕氷船ローリエ号での観測ミッションの中で、現地時間101日昼ごろ、昨年JAMSTEC海洋地球研究船「みらい」でNorthwind深海平原に投入していただいたセディメントトラップ係留系Station NAP10tの回収に成功しました(^^) (写真:これから船上に回収されようとするセジメントトラップ。ブリッジより西野が撮影)。この係留系に関わってくださった全ての方に感謝をします。作業中は、強く吹雪いた時もありましたが、波は基本的に穏やかで回収作業には助かりました。

海面に浮上させた係留系の回収作業は船によって手法が異なります。今回は浮上した係留系のトップをモーターボートで捕まえに行き、本船の傍まで引っ張ってくる作業から始まりました。デッキ上での回収作業の過程では、係留系のロープを人力で地引網のように引き上げる場面もあり、船員さんやInstitute of Ocean Sciences (カナダ)のスタッフにもいろいろと助けて頂きました。係留系は機材や部品の交換などを終えて、夜前にNAP-11tとして再投入しました。来年はまた違う船での作業になるかと思いますが、ぜひ回収を成功させたいです。

回収したセディメントトラップに装着された試料ボトルには、目的とする沈降粒子(マリンスノー)が全てのボトルに含まれていました。下写真は、その試料ボトルの一部を時系列に並べてみたもので、左端の1番が去年10月で、右端が今年9月です。ボトルの底の黒っぽい沈殿物が沈降粒子です。海氷に覆われて船がなかなか近づけない時期の試料も得ることができました。日本へ輸送された試料は、関係する研究者へ分配され様々な分析・研究に利用されます。北極海の沖合で年間を通じた沈降粒子の観測研究は過去の事例がまだまだ少ないので、この試料の分析結果がこの海域の研究に少しでも役立つものになればと思います。

昨年はここより西側の海域にもセディメントトラップ係留系CAP-10tを設置したので、そちらの回収もこの先予定しています。しかし、現場は現在海氷が広く覆っているようです。海面が海氷でほぼ覆われている状況で係留系を浮上させても回収をするのは困難なので、CAP-10tの回収は来年のチャレンジになってしまうかもしれません...

小野寺

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時系列に並べたセディメントトラップの試料ボトルボトルの底の黒っぽい沈殿物が沈降粒子


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