JAMSTEC北極航海ブログ

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投下式センサーによる水温・塩分観測 (XCTD観測)

記事更新日:
2011年10月14日
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2011.10.05

銃のような筒から海中にセンサーを投下し、海水の水温・塩分の分布を計測するのがXCTD (eXpendable Conductivity, Temperature and Depth)観測システムです (写真)。我々は砕氷船ローリエ号の航路に沿って、約40 km間隔でXCTD観測を行っています。観測結果はすぐさまパソコンで解析され、下図のような水温分布が得られました。カナダ・アラスカ沖の陸棚斜面(西経134155)に沿った水温分布です。海洋表層には日射で温められた水温の高い水があり、水深 100150mには結氷温度に近い冷たい水があります。この冷たい水は、冬季に太平洋から北極海に流れ込んできた水です。さらに、下層には比較的水温の高い水があります。これは、遥か大西洋からやってきた水です。

 今一度、表層近くに着目すると、アラスカ・バロー沖 (西経152154度付近)に海洋表面から水深130m付近まで達する暖かい水があります。この暖水は、太平洋からアラスカ西岸の陸棚域・バロー海底谷を経て、海盆域に運ばれているものと考えられます。昨年の海洋地球観測船「みらい」の北極航海では、直径100kmを超す暖水渦が捉えられました。その渦の水塊は、上記と同じアラスカ西岸の陸棚域を経て海盆域に来た暖かい水で、アンモニアなどの栄養分が多く、北極海の生態系にもインパクトを与えていることが分かりました

参照: http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20110826/

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砕氷船ローリエ号のXCTD観測で得られたカナダ・アラスカ沖の陸棚斜面に沿った水温分布

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