海底資源を賢く探す

海底資源センターでは、ベースメタル類の供給源として将来の活用が見込まれる海底熱水鉱床となり得る海底熱水活動の音響異常を指標とする(Kumagai et al. 2010; 図1a)迅速で網羅的な抽出を実現しました(Nakamura et al., 2015; 図1b)。これに基づいて日本近海の海底熱水活動のマッピングを実施していると共に(図2)、いくつかの熱水活動については、無人探査機を用いて熱水活動特性の把握を行ってもきました(例えば、Miyazaki et al., 2017)。同様にレアメタル類の供給源として着目されている鉄マンガンクラスト類についてもレアメタル類が海水起源であることを明らかにし(Amakawa et al., 2017;図3)、レアアース泥の分布域や分布深度調査も行ってきました(Ohta et al., 2016)。これら基礎的な研究を通じて、人類共通の財産である海底の金属資源の性質が明らかになることによって、SDGsにおける持続可能な世界像の構築に科学的基盤の一角を与えます。

図1a:海底熱水活動によるプルームは音響異常として可視化される。(a) サイドスキャンソナー記録上の画像例(Kumagai et al., 2010)
図1b:マルチビーム音響測深機記録上の画像例(Nakamura et al., 2015)
図2:中部沖縄トラフでのマッピング実績(2015年まで)(Nakamura et al., 2015)。
図3:鉄マンガンクラストに含まれる微量金属が海水由来であることを示すネオジム同位体分析結果(Amakawa et a;., 2017)。各深度での海水の同位体比と一致している。

海洋機能利用部門 海底資源センター

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