気候モデルの開発・応用による気候変動対策への貢献

海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、全球気候モデル、およびそれに生態系・物質循環を結合した地球システムモデル(ESM)を開発し、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書向けのモデル比較プロジェクトCMIP6に参加しています。また、これを用いた解析を行い、パリ協定の履行のための動きに寄与していくことで、SDG13に貢献します。具体的には、ESMによる温暖化予測を行い、観測データとの比較検証も交えて、社会経済システムとの相互作用も含めた環境変動の要因分析を実施します。また、それらの予測結果を科学的知見としてとりまとめ、さらに時空間情報データとして提供することにより、温暖化抑制策の立案等に貢献します。
このため2021年度までに、ESMを高解像度化し、季節予測モデルを用いた計算と組み合わせ、海洋が重要な役割を果たす地球温暖化や十年規模変動の予測可能性を向上させます。
また、高解像度全球非静力学モデルNICAMによる将来気候変化の解明にも合わせて取り組みます。こちらについては、全球雲解像シミュレーションデータのCMIP6への提供、雲・降水・循環場の将来変化理解の深化、詳細雲微物理過程に関わる気候感度の不確実性幅の評価を通じ、IPCC, 世界気候研究計画(WCRP), 世界の全球気候モデル(GCM)開発へ貢献・情報発信を行います。

格子構造模式図:地球システムモデルの3次元格子構造の模式図
モデル過程模式図:地球システムモデルで対象とする過程。気候モデルが対象とする、大気・海洋(海氷含む)・陸域の物理過程に加え、生態系・物質循環過程等が含まれる。
雲を解像する気候シミュレーション

地球環境部門 環境変動予測研究センター

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