シームレス気象・気候変動予測

海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、数週間から季節・年スケール程度の気象・気候変動現象を時間スケールによらずにシームレスに予測する数値シミュレーションのシステムを開発し、それによる気象・気候予測可能性の研究を行っています。具体的には、台風発生の2週間前からの予測に成功するとともに、地球温暖化時の台風の構造変化に関する新たな知見を提示するなど、災害予測に資する成果を得ています。また、熱帯の季節内振動と台風や豪雨等の発生頻度との関連を調べることで、極端現象の予測可能性を追求しています。さらに、台風が多数襲来するアジア域における温暖化適応策の策定を念頭に、地域レベルの温暖化台風予測の精度向上に向けた活動を行っています。このような研究開発によって現業予報の改善を促すとともに、国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change, IPCC)第6次評価報告などを通じた国際貢献を目指しています。

NICAMでシミュレーションした台風の周りの雲の分布と空気の流れ
強い台風の周辺における水物質(雲)(上段)と雲の生成によって生じたの凝結加熱(下段)の半径-高度断面図。左図は現在気候、右図の色は将来変化。
8月1日~10日(上段)、11日~20日(中段)、21日~30日(下段)の高度約1500mにおける東西風(色)と台風発生位置(xマーク、数字は台風番号)。

地球環境部門 環境変動予測研究センター 雲解像モデル開発応用グループ

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