JAMSTEC

JAMSTECの貢献内容

データの提供

GEBCO(大洋水深総図)とは、The General Bathymetric Chart of the Oceansの略語です。国際水路機関であるInternational Hydrographic Organization: IHOと国連政府間海洋学委員会のUnited Nations ooperative Organization-Intergovernmental Oceanographic Commission(UNESCOIOC)が共同で推進する世界の海底地形図作成団体です。その歴史は、1903年にモナコのアルバート王子が宣言したことに端を発しています。100年以上もの歴史がありますが、未だ世界の海底の24%しか調査が及んでいないと言われています。こうした調査の空白域を埋めていこう、と欧州、米国、アジア、オセアニア地域の水路協会や海洋学の専門家が定期的に会合を開き、海底地形図の更新を行っています。

年1回開催される「GEBCO WEEK」や各海域の関係者が集まる「Regional Mapping Conference」等で情報収集がなされています。「GEBCO WEEK」では、海洋関係の研究者、政府、国際機関、民間団体、マスコミなどに向けて、予めシンポジウムの案内や事前登録を呼びかけて、幅広い分野からの参加を募っています。海底地形図作成に向けたデータ収集状況、新たな解析用ソフトウェアの紹介、その簡単なトレーニングや海底地形図を広く知ってもらうようなアウトリーチ活動など、全体会や分科会に分かれて議論しています。

JAMSTECでも、海洋調査で得られた海底地形データを、データ処理後にデータベースから公開していますので、誰でもアクセスすることができます。アジア・太平洋域の取りまとめ機関であるニュージーランドのNational Institute of Water and Atmospheric Research(NIWA)に提供し、海底地形図作成に貢献しています。本研究プログラムでは、機械学習による高精度な画像処理技術や補間解析法などを駆使して、空白域を埋めていく試みも行っています。JAMSTECでは、自律型測深技術(Autonomous Mapping Technology)を用いたロボット開発も行っていますので、データ取得においてもSeabed2030への貢献が期待されます。

Seabed2030計画では、2030年に100%のカバレッジを目指す、といった目標が定められていることから、計画的にデータの収集を行うため、民間企業や漁業関係者にも協力を依頼するクラウドソース方式やデータの自動転送の取り組み も行われています。

JAMSTECで取得したデータの航跡図は、https://maps.ngdc.noaa.gov/viewers/iho_dcdb/ のサイトに統合表示されています。

データ未取得海域のマッピング

機構が所有する船舶などで、データが未取得あるいは不十分な海域を調査します。
最新の海中ロボット技術を駆使し、詳細かつ精度の高いデータを取得します(下図)。

海底地形図の高解像度化
(数理海底地形科学の応用)

機械学習技術を用いた超解像により、既存データの質が不十分な海域において詳細な海底地形図を作成します。

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