25年の軌跡

2013年(第1324~1376潜航)

2013年2月5日~2月25日
「QUELLE2013」インド洋調査
2013年2月28日~3月28日
「QUELLE2013」インド洋調査
2013年4月13日~5月5日
「QUELLE2013」ブラジル沖調査
2013年5月
南大西洋ブラジル沖リオグランデ海膨の海底にて大陸の痕跡と思われる花崗岩を確認
2013年6月17日~7月3日
「QUELLE2013」カリブ海調査
2013年6月22日
ニコニコ生放送で深海ライブ中継を実施
2013年8月27日~9月15日
パラオ海盆、九州パラオ海嶺、マリアナ海溝調査
2013年9月18日~10月2日
グアム東方沖・赤道付近調査
2013年10月6日~10月21日
「QUELLE2013」南太平洋調査
2013年10月24日~11月2日
「QUELLE2013」南太平洋調査
2013年11月7日~12月1日
グアム東方沖、マリアナ海溝、赤道付近調査

2013年は「QUELLE2013」と名付けられた世界一周航海の実施につきる。
2月から3月にかけてQUELLE最初の調査海域であるインド洋の熱水域で潜航を行った。海況が悪く潜航日は限られたが、スケーリーフット、微生物、熱水など多くの試料採取に成功した。
4月には南アフリカのケープタウンを経由し、「しんかい6500」にとって初めての潜航海域となる南大西洋ブラジル沖、リオグランデ海膨の成立ち解明に向けた調査潜航を実施した。「幻のアトランティス大陸発見!!」報道などもあり、寄港地のリオデジャネイロやサントスでは多くの取材と歓迎を受けた。また、在ブラジル日系人会の皆様には大変お世話になるとともに、ブラジルで活躍されている皆様方とお話しさせていただいたことは大変思い出深いものとなった。
次なる目的地、カリブ海の中部ケイマンライズ調査海域には、水深5,000mを超える世界最深の熱水域があり、400℃を超える熱水噴出孔での潜航を実施した。
この航海のトピックはなんといってもニコニコ生放送を通じての深海ライブ中継。
母船「よこすか」と「しんかい6500」を直径0.9mmの光ファイバケーブルでつなぎ水深5,000mを超えるBEEBE VENT FIELDよりハイビジョンカメラの映像を通信衛星経由でライブ中継を行った。日本時間の深夜帯に中継されたにもかかわらず30万人を超える視聴者と深海の世界を共有することに成功した。皆様の深海への関心が高いことを改めて感じることができる潜航となった。
その後、パナマ運河を経由し、主蓄電池の交換作業のために8月上旬に日本へ帰国した。
8月末より九州パラオ海嶺・マリアナ海溝・グアム東方沖などで潜航を行った後にQUELLE後半戦のトンガ海溝・ケルマディック周辺海域での潜航を実施した。
2か月の間に世界最深部のマリアナ海溝、世界で2番目の水深を誇るトンガ海溝で「しんかい6500」と「よこすか」のポテンシャルをフルに発揮した調査を行った。2つの海溝の成立ちの違いなどを解明するために、橄欖(カンラン)岩などの貴重な岩石や巨大なヨコエビなど必要な試料採取を行った。
また、トンガ海溝、ケルマディック海溝に沈み込むルイビル火山列のいくつかの海山に潜航し、水深の違いによる生物分布の変化を調査した。日本への回航途中には赤道付近のグアム東方沖の海底に設置した培養装置の回収潜航を行い大きな成果のあった大航海を無事に終了することができた。
今回の世界一周航海は20年以上にわたり運用され、多くの成果をもたらしている「しんかい6500」を世界中の多くの研究者に実際に利用していただき、寄港地でも多くの方に見学してもらえたことで、日本の科学技術力を世界に示し、世界の深海調査研究を牽引していることをアピールできたと自負している。

2013年の運航チーム

2013年の運航チーム

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「QUELLE2013」ダイジェスト映像

「QUELLE2013」ダイジェスト映像(YouTube)

リオデジャネイロでのセレモニーの様子 2013年5月

リオデジャネイロでのセレモニーの様子
2013年5月

リオデジャネイロでは多くの取材を受けた 2013年5月

リオデジャネイロでは多くの取材を受けた
2013年5月

ブラジル沖調査終了後、プレス発表をする北里主席研究者 2013年5月

ブラジル沖調査終了後、プレス発表をする
北里主席研究者
2013年5月

ニコニコ生放送で深海ライブ中継 013年6月

ニコニコ生放送で深海ライブ中継
2013年6月

パラオ海盆での潜航の様子 2013年9月

パラオ海盆での潜航の様子
2013年9月

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