25年の軌跡

2014年(第1377~1411潜航)

2014年3月19日~3月27日
相模湾、駿河湾、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝北端にて試験潜航
2014年4月2日~4月6日
相模湾、駿河湾にて訓練潜航
2014年4月10日~4月24日
北西太平洋調査
2014年4月26日、27日
ニコニコ超会議3に出展
2014年5月2日~5月8日
北西太平洋調査
2014年6月28日~7月4日
北西太平洋調査
2014年7月7日~7月29日
マリアナ海溝、マリアナトラフ調査
2014年7月15日
マリアナトラフ西端で通算1400回潜航達成
2014年10月7日~10月22日
沖縄トラフ 調査

例年どおりに3月中旬から開始した試験訓練潜航で機器の安全性確認と調整、操船技術の向上に努め、4月には調査海域である北西太平洋に向かった。今回の調査は音響機器を使った海底地形調査の精度が向上したことから発見されることの多くなったプチスポット(直径数十メートルから数百メートルの小型海底火山)からの試料採取が主なミッションで、火山活動の時期やプチスポットができあがる仕組みの解明につながる調査を実施した。
トピックと言えばニコニコ超会議3に出展した事があげられる。停泊している港から会場となる幕張メッセまでの輸送をライブ配信する企画もあり、事前に確認した輸送路を深夜にゆっくりと約1時間かけて移動したが、トレーラの荷台に乗った「しんかい」と歩道橋のクリアランスは数センチの場所もありとヒヤヒヤの連続となった。
展示会場には2日間で延べ12万5千人の来場者があり、デモンストレーションでマニピュレータを動かす際には人だかりで身動きが取れないほどの盛況ぶりとなった。また、SPを引き連れた現役の大臣、政党の党首の方などを潜水船内に案内するなど普段とは違う雰囲気の中での対応となった。
その後、6月末から7月にかけて再び北西太平洋に向かい深海平原の生態系と物質循環を調査するために5月に設置した現場培養器の回収作業を行った。
7月から始まったマリアナ海溝での調査は台風の発生場所に近く、台風の進路によっては大幅な日程変更を余儀なくされることもあるが、最新の気象情報をもとに日々調査計画を更新した結果、潜航中止回数を最小限に抑えることができた。また、7月15日には第1400回潜航を達成した。
2014年の最終行動予定であった中部沖縄トラフでの調査行動は台風19号の影響を受け海域到着が4日も遅れた。行動の目的は海底熱水鉱床の資源量計測のための物理探査法の確立で、海底に設置した電位差計・電位磁力計に向けて潜水船から人工電流を送信するため、潜水船の位置精度が重要になる。現在の「しんかい」にはジャイロコンパス、DVLを利用したShinkaiTrackという航跡表示装置が搭載されており、条件が整えば数時間海底を航走しても数メートルの誤差で位置情報が得られ、今回の潜航のようなマッピングや設置物の回収作業時に力を発揮し高品質な航跡情報の提供を行っている。
2013年の潜航を終え機構への回航中にJOGMEC受託行動への参加が決定した。
急遽、鹿児島港に引き返し、「かいれい」より研究者と研究機材を乗せ換え沖縄トラフの伊是名海穴に向い採鉱試験による環境影響調査が主目的の潜航を実施した。4回の潜航を行ったことで通算の潜航回数が1411回潜航となり「しんかい2000」の潜航回数と並ぶこととなった。2015年は「しんかい6500」25周年です。「しんかい」の新しい扉を開くことに喜びを感じながら、さらなる発展を目指します。

2014年の運航チーム

2014年の運航チーム

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ニコニコ超会議3に出展 2014年4月

ニコニコ超会議3に出展
2014年4月

来場者取り囲まれる「しんかい6500」 2014年4月

来場者取り囲まれる「しんかい6500」
2014年4月

トレーラの荷台に乗った「しんかい6500」 2014年4月

トレーラの荷台に乗った「しんかい6500」
2014年4月

マリアナトラフ西端で通算1400回潜航達成 2014年7月15日

マリアナトラフ西端で通算1400回潜航達成
2014年7月15日

「しんかい2000」の潜航回数と並んだ「しんかい6500」

「しんかい2000」の潜航回数と並んだ
「しんかい6500」

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