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超先鋭研究プログラム

成果

[2004年]

インド洋の海底熱水のさらに奥深くに地球最古の生態系の生き残りを発見

ハイパースライム(HyperSLiME)とは、Hyperthermophilic Subsurface Lithoautotrophic Microbial Ecosystemの略語であり、超好熱地殻内化学合成(岩石)独立栄養微生物生態系を示す。我々はこのハイパースライムと呼ばれる太陽のエネルギーとは無縁の地球を食べる超好熱生態系こそ地球最古の生態系と考えた。そこで世界各地の熱水活動域を探査し、インド洋中央海嶺の熱水活動域、かいれいフィールドのさらに奥深くに地球最古の生態系であるハイパースライムをついに見いだした。

Takai, K., Gamo, T., Tsunogai, U., Nakayama, N., Hirayama, H., Nealson, K. H., & Horikoshi, K. (2004) Geochemical and microbiological evidence for a hydrogen-based, hyperthermophilic subsurface lithoautotrophic microbial ecosystem (HyperSLiME) beneath an active deep-sea hydrothermal field. Extremophiles, 8:269-282.


ハイパースライムが見つかったインド洋水深2450mにあるかいれいフィールド熱水活動域の写真。
ハイパースライムを支える大量の水素が熱水に含まれていた。


ハイパースライムの一次生産者である超好熱メタン菌Methanotorris formicicumの電子顕微鏡写真