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火山・地球内部研究センター

火山活動と地球内部を統合的に理解する

地球は常に変動し続けている惑星です。その中で、ダイナミックな火山の活動は人々を魅了すると同時に、それが引き起こす災害は人々を悩ませています。火山の活動のエネルギーは地球内部からもたらされているので、火山と地球内部を統合的に理解し、その英知を社会に役立てることが、我々センターの使命です。

火山・地球内部研究センター
センター長 小野 重明

2024/03/14
田村芳彦 上席研究員(シニア)と吉田健太 副主任研究員が取材協力した番組 フロンティア「進化する西之島 未知の大地への挑戦」が、3/21(木)午後10:00~ NHK BSプレミアム4Kで放送されます
2024/01/09
田村芳彦 上席研究員(シニア)らが取材協力した番組 『TimeTrip~伊豆半島ジオパーク 噴火と衝突を繰り返す伊豆諸島~』が、1/14(日)午後2:00~ BSフジで放送されます
2023/12/19
桑原佑典 外来研究員が地球環境史学会優秀発表賞を受賞
2023/10/26
火山噴火予知連絡会への提出資料(鳥島近海で確認された浮遊軽石に関する予察)を掲載しました
2023/10/20
国際シンポジウム「Submarine cakdera volcanoes」(要申込)(開催日3/6-7)
2023/10/05
【コラム】海底火山の近海を調べてわかってきたこと、漂流軽石からは見えなかったもの【論文紹介】
2023/10/03
太古の深海熱水噴出孔環境におけるアンモニアの濃集機構を実証 ―アンモニアの選択的吸着の秘訣は鉄硫化物の電気還元にある―
2023/09/28
日本地質学会第130年学術大会で吉田健太副主任研究員らが受賞
2023/07/25
海域地震火山部門講演会 「世界の地震と火山に挑む -私たちが今みている ダイナミックアース-」(要申込)(開催日:8/20)
2023/07/19
地球史で最も長い周期の海水準変動が、海洋底の「平坦化」の効果で説明できることを大陸移動の理論モデルにより解明
―地球内部変動と表層環境変動との関係の理解に向けて―
2023/06/07
ひらめき☆ときめきサイエンス「浦戸諸島の冒険 日本三景松島を生み出した海底カルデラを探る」開催のお知らせ
2023/05/25
白亜紀に形成された超巨大海台
―オントン・ジャワ・ヌイ仮説を支持する新発見―
2023/05/19
JpGU2023展示 特設サイトをオープンしました
2023/04/26
主任研究員、副主任研究員もしくは研究員 1〜2名(CKS23-003)公募について
2023/04/19
桑谷立 主任研究員が第5回地球惑星科学振興西田賞を受賞
2023/04/13
青木譲 研究生らの論文がACS Editors’ choiceに選出
2023/04/07
【地球内部物質循環研究グループ】臨時研究補助員(等級2もしくは3)(CGR23-001)公募について
2023/03/23
吉田健太 副主任研究員らの論文がTop Cited Article 2021-2022に認定
2023/01/05
【固体地球データ科学研究グループ】臨時研究補助員(等級3)(CGR22-006)公募について
2022/12/23
海域地震火山部門講演会 「世界の地震と火山に挑む ーJAMSTECの取り組みと成果ー」を公開しました
2022/11/08
大柳良介 外来研究員らが展示協力している 埼玉県立自然の博物館 特別展「The蛇紋岩」の展示が始まりました
2022/10/14
【コラム】福徳岡ノ場の軽石を見る、あちこちで見る、じっくり見る、軽石以外も見る
2022/10/06
海域地震火山部門講演会 「世界の地震と火山に挑む ーJAMSTECの取り組みと成果ー」(要申込)(開催日:11/3)
2022/09/22
田村芳彦 上席研究員(シニア)らが取材協力した番組 ブラタモリ#216「深海」が、10/1(土)午後7:30~ NHK総合で放送されます
2022/09/21
地殻–マントル境界と海洋地殻の成因に関する新しいモデルを提唱
2022/07/15
Iona M. McIntosh研究員らの論文が Nature Research Highlight に掲載
2022/07/05
Top downloaded articleに認定
2022/07/05
佐藤智紀技術スタッフらの論文がTop cited articleに認定
2022/06/30
東京湾から60kmの大室ダシ海底火山の活動履歴を解明
2022/06/28
桑谷主任研究員らの共著論文が日本情報地質学会の論文賞を受賞
2022/06/10
吉田 健太 研究員らが取材協力した番組 サイエンスZERO「軽石漂着の謎に迫れ 最新報告!海底火山“福徳岡ノ場”」が 6/12(日)午後11:30~NHKEテレで放送されます
2022/06/03
主任研究員もしくは研究員(CKS22-001)公募について
2022/04/08
大林政行主任研究員らの論文がScientific Reports Editor's Choiceに選出
2022/03/25
テフラ給源同定システム(仮)を公開開始しました。
2022/02/10
福徳岡ノ場の爆発的な噴火の原因を明らかに:多様な漂着軽石からの解読
2021/12/03
超深海の変質したマントル岩石の内部で炭素を含む海水が循環していることを明らかに
2021/12/03
【コラム】海亀海山の蛇紋岩研究史
2021/09/27
地震波速度と電気伝導度を統合解析し、地球内部の水やマグマをとらえる【東京大学のサイトに掲載】
2021/08/26
沈み込み帯における二酸化炭素の固定化が マントルの破壊を引き起こす
― 炭素の循環とプレート境界での地震現象との関係性を示唆 ―【東北大学のサイトに掲載】
2021/08/02
鬼界カルデラ総合調査のページを公開しました
2021/02/25
西之島の活動を注視せよ!調査航海終了の報告動画を掲載しました
2021/02/19
【西之島航海成果速報】2020年12月に海底堆積物の採取を行いました
2021/02/04
【海底火山研究グループ】臨時研究補助員(等級1)(CKR20-012)公募について
2021/02/02
【地球内部物質循環研究グループ】臨時研究補助員(等級3)(CGR20-011)公募について
2021/01/22
【地球内部物質循環研究グループ】臨時研究補助員(等級2もしくは等級3)(CGR20-010)公募について
2021/01/14
第2回海域地震火山部門研究航海シンポジウム開催のご案内(令和3年度実施航海)(要申込)(開催日:2/19)
2020/12/11
西之島の活動を注視せよ!公開レポートをツイートします
2020/12/11
西之島研究を紹介するページを公開しました
2020/12/10
木村 純一 シニアスタッフがアメリカ鉱物学会(MSA)のフェローに選出
2020/11/16
柳澤 孝寿 主任研究員が可視化情報学会賞 論文賞を受賞
2020/11/12
【地球内部物質循環研究グループ】ポストドクトラル研究員(CGP20-007)公募について
2020/10/13
吉田 健太 研究員が日本鉱物学会研究奨励賞を受賞
2020/09/25
鬼界カルデラ海底火山の調査航海
Twitterで研究者と一緒に「#鬼界カルデラ」を追いかけよう!
2020/09/17
【地球内部物質循環研究グループ】臨時研究補助員(等級3)(CGR20-009)公募について
2020/07/10
【地球内部物質循環研究グループ】ポストドクトラル研究員(CGP20-007)公募について
2020/06/04
上木 賢太 研究員らの論文がMost downloaded articlesに認定
2020/03/23
【海底火山研究グループ】臨時研究補助員(等級1)(CKR20-001)公募について
2020/02/19
第1回海域地震火山部門研究航海シンポジウム開催のご案内(令和2年度実施航海)
2020/02/07
【地球内部物質循環研究グループ】臨時研究補助員(等級1)(CGR-008)公募について
2020/01/24
鬼界カルデラでの「ちきゅう」掘削速報:過去2回の超巨大噴火を確認
2020/01/17
海域地震火山部門 講演会「もっと知ろう、おもしろ 海の火山学」(要申込)(開催日:2/23)
2019/11/18
上席研究員もしくは上席技術研究員(CKS-007)公募について
2019/10/09
桑谷 立 研究員が取材協力した記事「データ不足を補う情報科学 天体や地球内部が鮮明に」が日経産業新聞に掲載されました
2019/09/05
【地球物理観測研究グループ】臨時研究補助員(等級1)(CKR-003)公募について
2019/09/03
吉田 健太 研究員がGeochemical Journal Awardを受賞
2019/08/08
研究員もしくは技術研究員(CKS-001)公募について
2019/07/18
Iona McIntosh研究員のインタビューが「Work with Us / JAMSTEC People」に掲載されました
2019/07/17
地球内部物質循環研究グループの田中えりか研究生がJpGU Meeting 2019 学生優秀発表賞を受賞しました
2019/07/10
桑谷 立 研究員が日本情報地質学会で論文賞を受賞
2019/05/16
火山・地球内部研究センターのホームページを公開しました

海域の火山の実態を探る

鬼界カルデラで進行中の調査
過去に複数回の超巨大噴火を起こした鬼界カルデラについて、さまざまな手法を駆使した構造探査と噴火履歴の調査が進展中
2021年に福徳岡ノ場から噴出して漂流した軽石
サイズや構成成分の多様性を分析して噴火のメカニズムに迫る。

火山・地球内部研究センターでは、火山から噴出した溶岩を化学的に分析し、噴火を引き起こした原因は何か、なぜ爆発的な噴火が起こるのかなど、防災や減災に重要なマグマの性質を解明していきます。また、地球内部の地震波速度や電気伝導度を観測して地球内部のマントル対流や、熱や物質の循環を探っています。地球内部への入口である沈み込み帯にある火山と、出口であるホットスポットや中央海嶺の火山の溶岩の成分を比較することで、大気・海洋と地球内部を含めた物質循環が分かります。それは地球の環境変動を理解する上でも重要です。
海底火山や火山島のような海域の火山の調査研究は、陸の火山に比べて大きく遅れを取っています。そのため、不意打ちの火山噴火によって火山災害が大きくなる懸念があります。そこで、海域火山における災害の発生予測や地球環境への影響評価を行い、災害の軽減につなげることを目指して、海域の火山と地球内部を統合的に理解する調査研究を推進しています。
地震発生帯研究センターや神戸大学と連携して鹿児島の南の海底にある鬼界カルデラに海底地震計を高密度に設置し、自然に起きる地震を数ヵ月〜1年間観測することにより、海底下10〜100kmの構造を探査しています。
そこにマグマだまりなどがあれば、とらえることができると期待しています。
海域火山の現状を監視するために、水圧計や海底電位磁力計を設置し、記録されたデータを吸い上げる無人観測システムの開発についても、神戸大学や東京大学地震研究所と一緒に進めています。
観測データからは火山活動の現状を把握することができますが、いざ活動が活発化したとき、今後の火山活動の推移を予測するには、過去にその火山で起きた噴火履歴を調べることが重要です。火山周辺の海底面や海底下には、過去のさまざまな年代に噴出した火山岩や火山灰が降り積もっています。鬼界カルデラや伊豆・小笠原などの火山周辺の海底を探査し、火山噴出物を採取・分析して過去の噴火活動のデータを蓄積しています。噴出するマグマの粘性や成分・量によって火山はさまざまなタイプに分かれるので、溶岩を分析して、火山の地域ごとのタイプの分布も明らかにしていきます。

なぜそこに火山があるのか、地球内部から探る

地球内部への入口である沈み込み帯に形成される海底火山の模式図
沈み込むプレートにより水などがマントルに供給されることで、マグマができやすくなる。それが上昇してマグマだまりの形成、さらには噴火に至る。
地球内部からの出口であるホットスポット火山群の直下にあるマントル上昇流
ホットスポットが集まる南太平洋フレンチポリネシア直下の地震波トモグラフィーで得られた地下構造。地震波速度の遅い場所は温度が高いと考えられる。

科学的な根拠に基づいて火山活動を予測するためには、表面近くの現象だけでなく、地球内部の営みを理解する必要があります。日本周辺の火山は、プレートの沈み込みによってつくられたものです。プレートの沈み込みによって、地下にあるマントルの岩石に水が加わることでマントルの融点が大きく下がり、マントルが溶けてマグマができます。そのマグマが上昇して火山ができると考えられています。
海溝からの距離により火山のタイプは異なる傾向があります。それは、海溝に近い沈み込んだばかりの浅い領域で絞り出される水と、海溝から遠い深い領域で絞り出される水では、そこに溶け込んでいる成分が異なることが関係しているという仮説があります。
JAMSTECのこれまでの調査により、伊豆・小笠原では南北方向でも火山のタイプが異なるらしいことが分かってきました。それは南北で地殻の厚さに違いがあることによって、マグマのできる深さが異なることが原因の一つだと考えられます。
そもそもプレートの実態や、プレートが生まれ、移動し、沈み込むプレートテクトニクスの仕組みは、地球科学における大きな謎です。IODP(国際深海科学掘削計画)の下で地球深部探査船「ちきゅう」などによる掘削調査も進めてその謎に迫り、なぜその海域に特定のタイプの火山があるのか、理解を深めていきます。

センター長 小野重明
専門:地球内部科学

陸の火山に比べ、海の火山には解決されていない謎がたくさんあります。火山研究の最後のフロンティアである海の火山にチャレンジしたい方は、JAMSTECの門を叩いてみませんか。