CLIVAR・SSG15速報

時岡 達志  
海洋研究開発機構地球環境研究フロンティア研究センター

さる9月11日から14日にかけてCLIVAR・SSG第15回の会合がジュネーブで開かれた。その中のトピックスについて報告する。全体の内容については別途紹介する。

まず報告しなければならない第1点は次年度のCLIVARの予算が大幅に縮小になるということである。その理由については今年3月に開かれたWCRPのJSCで説明されているのでここでは省略する。CLIVARのコア部分の予算額はCHF50,140で、前年の約1/4となる。但し、CLIVARの中でも地球温暖化研究(ACC),大気化学と気候(AC&C)、モンスーン、十年スケール変動予測(Decadal Prediction)、水位上昇、極端現象、季節予報、国際極域年(IPY)の8項目についてはWCRPの複数のプロジェクトにまたがる横断的テーマということで、これらについてはそれぞれについて別途新たに予算が付けられることになった。極端現象でCLIVARに付いた額はCHF8,175、モンスーンでCLIVARに付いた額はCHF18,530、十年スケール変動予測で付いた額はCHF5,995である。上のコア部分とこれら横断的テーマでついた予算とを加えるとCLIVARの全予算額はCHF82,840である。地球温暖化研究(ACC)に関しては、予算はCLIVARではなく、JSC及びWCRP Support Officeの方にCHF48,505が、水位上昇にはCHF5,995が、モデリングにはCHF18,530が付けられている。(1CHF=約100円(2007.11.12現在))

この予算案に対処するため、SSGではCLIVAR内のパネルや作業グループのメンバーを減らす案も提案されたが、最終的にはメンバーは現在のままで変更はしないこととした。その代わり、不足する資金については各自外部資金獲得に努力することを申し合わせた。

第2の点は、地球温暖化研究に関することである。これについて、次期のIPCC・AR5に向けてCLIVARとしての戦略を討議した。結論は、一つは2005年から2030年までの近未来予測をターゲットとすること、もう一つは地球システム統合モデルなどによる100年を超える地球温暖化予測をターゲットとすることである。また、前者の課題は10年スケールの気候変動予測研究としても位置づけることとした。これらは、今年の4月から既に立ち上がっている我が国の文部科学省のプロジェクト「21世紀気候変動予測革新プログラム」のターゲットそのものである。即ち、我が国のプロジェクトの内容がCLIVARの次期IPCCに向けた地球温暖化予測の標準実験と認定された、ということである。これらの研究の推進は、CLIVARとWCRPの下にある結合モデル作業グループ(WGCM:委員長J.ミッチェル、G.ミール、我が国からの委員:木本昌秀)によって行われる。