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気候の変動性及び予測可能性研究計画
CLIVAR = Climate Variability and Predictability Project

CLIVER

概要

気候変動及び予測可能性研究計画(CLIVAR)は、1995年には科学計画が、1998年には実施計画が策定され、2013年までの15年計画で発足した。 成功に終わった 熱帯海洋・全球大気計画(TOGA =Tropical Ocean Global Atmosphere(1985‐1994))の知見を基にさらに研究を前進させ、 また世界海洋循環実験計画(WOCE = World Ocean Circulation Experiment(1990‐2002))により取り組まれた研究を拡張している。 その目的としては、全気候システム内の海洋と大気の相互作用の役割に焦点を当て、地球の気候システムを観測、再現、予測することである。 CLIVARは、その目的の為に、海洋(+海氷)・大気・陸域・氷域結合モデルや、古気候の記録、観測結果の解析、 人為的な要因による影響の見積もりを用いて、 季節から年々、10年、100年の広い時間スケールにわたる物理過程や気候変動性、予測可能性を追求している。 また、放射活性な気体やエーロゾルの増加が気候システムに及ぼす変化を理解・予測したり、 全球エネルギー・水循環観測計画(GEWEX) と共同して、モンスーンの解明を行ったりもしている。CLIVARの下には科学推進グループ (SSG = Scientific Steering Group)(表1参照) が設けられ、研究プログラムの編成や推進、科学的指標の提供、データ解析や交換、科学的結果の普及、 プログラム進捗状況のWCRP合同科学委員会(JSC)への報告、他の関連組織やプログラムとの科学的な連絡といった活動を行っている。

表1:科学推進グループのメンバー

http://www.wmo.int/pages/prog/wcrp/AP_CLIVAR.htmlより)

氏名 所属先
J. Hurrell (co-chair) NCAR, Boulder, USA
M. Visbeck (co-chair) IFM-GEOMAR, Kiel, Germany
K. Drinkwater Beijing Normal University, Bejing, China
L. Goddard Earth Institute at Columbia, USA
S. Gulev Russian Academy of Sciences, Moscow, Russian Federation
C. R. Mechoso University of California, Los Angeles, USA
S. Schubert NASA Goddard Space Flight Center
D. Wang Chinese Academy of Sciences, Guangzhou, China
職務上のメンバー:
各CLIVER パネル及び作業グループからそれぞれ座長あるいは共同座長(1人)
Dr Kevin Trenberth (chair GEWEX SSG) NCAR, Boulder, USA
CLIVAR科学推進グループ(SSG)の責務
  • 現象の解明と気候変動の予測という必要性に対応して、海洋・大気結合モデルに基づき、古気候の再構築を含む観測データの解析に依拠して、 気候変動性とその予測可能性に関する、CLIVARの研究プログラムを組み立てること。
  • 業務的全球気候及び全球海洋観測システムの開発や、各国の研究プロジェクトからの貢献の可能性も考慮し、データに関するCLIVARの要求を満たす観測プログラムを組織すること。
  • 必要に応じて、専門家や専門グループのアドバイスを活用し、CLIVARの推進に向けた科学的指針を提供すること。
  • CLIVARデータの相互交換・解析と、科学的成果の普及とを確保すること。
  • 関連する組織及び既存のプログラムとの科学的リエゾンを適切に確立すること。
  • WCRPの合同科学委員会(JSC)に対し、CLIVARの実施において達成された進展と、気候変動性及びその予測可能性の解明における科学的な進歩について助言をすること。

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目的

  • 関連する他の気候研究及び観測のプログラムと協力し、観測データの収集・解析と、結合された気候システムのモデルの開発と実験を通して季節、年々、10年及び世紀のタイムスケール(時間規模)における気候変動性と予測可能性に関与する物理過程を把握・解明すること。
  • 品質管理された、古気候及び測器観測のデータ・セットを収集することにより、対象としているタイムスケールにわたる気候の変動性の記録を拡張すること。
  • 全球の結合予測モデルの開発により、季節から年々の気候予測に関し、予測範囲を拡大し精度を高めること。
  • 放射活性ガスやエアロゾルの増加に対する気候システムの応答を解明・再現し、その再現実験結果を観測された気候記録により検証することで自然の気候の指標に対する人為的な干渉を検出すること。

*詳細はCLIVAR Handbook (PDF:1.73MB)を参照

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科学的概観

CLIVARは:
  • 国際的な研究プログラムで、数カ月〜数十年のタイムスケール(時間規模)の気候の変動性及び予測可能性や、人為的外力に対する気候システムの応答について研究をしている。CLIVARはWCRPの重要な構成要素のひとつとして15年の期限付きで1998年に発足した。
  • 気候システム全般の中で海洋と大気の結合の役割に焦点を当て、季節〜世紀のタイムスケールにおける変動性、特に海洋中の変動性に重点を置いている。
  • 既存の、再解析された、及び新規の全球観測データや、高度化された海洋・大気・陸面・氷床結合モデルや、古気候の記録を用いることにより、 予測可能性の追求と、気候変動性と気候変化の予測の改善方策の追求を目指している。
  • 自然な気候に対する人為的干渉をより正確に検出することを可能にする、優れた、地域的及び全球的予測モデルの開発を推進する。
  • 長期気候研究のための、全球海洋・大気観測システムの計画と実施を強く支持し、特に、モンスーン等の、地域的な海洋・大気結合ステムの変動性に対しては、 ENSOなど全球的なパターンとの関連において取り組む。
  • 明らかに、WCRPでこれまで取り組まれている中で最大で、最も多様性をもつプロジェクトである。

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構成要素

CLIVARは以下の3つの要素で構成されている:
  • 1. CLIVAR-GOALS(CLIVAR-Global Ocean Atmosphere Land System:気候変動とその予測可能性に関する研究/季節・年々のタイムスケールでの全球の変動と予測可能研究)
    季節から年々のタイムスケール(時間規模)に関し、TOGAプログラムの成果に基づいて、全球海洋・大気・陸面システムの変動性と予測可能性を以下により、研究する:
  • TOGA観測システムの継続を含め、季節〜年々の気候変動性を示すための観測能力を開発すること。
  • 季節〜年々のタイムスケールに関し、全球の熱帯にわたって、SSTその他の気候変数に対するモデルや予報スキルをさらに開発すること。
  • モンスーンと、インド洋・ENSO・陸面過程との相互作用を解明し予測能力を構築すること。
  • 熱帯と温帯の相互作用から生じる気候変動性と予測可能性を明らかにすること。
  • 大気の、海洋・陸面過程・海氷過程との相互作用により引き起こされる温帯の季節〜年々の気候変動の予測可能性を探求し、少しでもそのような予測可能性を追求する手段を開発すること。
  • 2. CLIVAR-DecCen (CLIVAR-Decadal-to-Centennial climate variability:CLIVAR-十年〜世紀規模の気候変動)
    以下の諸点により、特に全球の結合気候システムにおける海洋の役割に重点を置いて、十年〜世紀規模の気候のゆらぎの変動性と予測可能性のメカニズムを究明する:
  • 測器による、古気候的な、またモデル結果によるデータにおける、10年〜世紀規模の全球的な気候変動のパターンを明示し、解明すること。
  • データの復元、および既存の大気・海洋・古気候データの再解析に協力し合うことにより、気候変動の記録範囲を拡大し、古気候の新たな指標を見出し、さらに、海洋モニターサイトの整備をおこなうこと。
  • 全球10年規模変動を明示し、解明し、予測するために必要な、観測、モデル、コンピュータ、データ収集・普及を行なう適切なシステムを開発、運用すること。
  • 海洋・大気の相互作用により10年〜世紀規模の気候変動を引き起こす、水塊変質地域、強い境界流、回帰経路における”隘路”(a choke point)などの、海洋域や海洋過程を見出し、研究すること。
  • 3. CLIAR-ACC(CLIVAR-Anthropogenic Climate Change:CLIVAR-人為起源の気候変化)
    人為起源の気候変化に対する気候システムの応答について、以下により研究する:
  • 放射活性気体の人為起源の増加及びエアロゾルの変動に対する気候システムの応答について、解明、モデリング、及び予測能力を推進すること。
  • 気候システムの平均状態や変動性に対する人為的変質のパターンを特定すること。
  • CLIVARの他の2つの構成プログラムから得られる、気候の自然変動性に関する知見を基盤として用いることにより、温室効果ガスの増加や、他の人為起源変化の影響に伴う、変化傾向や兆候を検出すること。

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国内活動

全般的解説:SSGメンバー 時岡達志氏(海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター長)

CLIVARはTOGA(Tropical Ocean and Global Atmosphere)プロジェクトの遺産を引き継いで、気候変動度とその予測可能性の研究を推進する目的で、1995年には科学計画が、1998年には実施計画が策定され、2013年までの15年計画でスタートした。

CLIVARの科学目的は大きく3つに分けられる。海洋、大気、陸面各システムの相互作用から生ずる短期的気候変動のプロセス、予測可能性などを研究する「CLIVAR-GOALS」、それより更に長い時間スケールの10年から100年スケールの気候変動のメカニズム、予想可能性などを研究する「CLIVAR-DecCen」、それに人為的な影響によって引き起こされる気候変化の研究「CLIVAR-ACC」である。

CLIVARを推進するために国際的、国内的組織が作られている。国際的な推進組織としてCLIVAR-SSGが組織されている。SSGは科学目的を達成させるためのメカニズムとして、気候変動に大きく関わっている海洋についてbasinごとにその海域の観測、気候変動研究を推進するために海洋パネルを、気候変動のプロセス、メカニズム、予測可能性の研究を推進するためにモデル作業グループを、また大陸・海洋分布が元となって作られるモンスーン気候を研究するモンスーンパネル、そして気候に関する観測データの収集・解析を推進するデータベースを組織している。

国内的には、日本学術会議のなかの環境学委員会と地球惑星委員会とが合同でIGBP・WCRP合同分科会を組織し、その中にCLIVAR小委員会を立ち上げ、国内に於けるCLIVAR関連研究の推進を図っている。

我が国に於けるCLIVARに関連する研究は大学、気象庁、その他関連する研究機関で行われている。1998年にCLIVARが国際的に活動を開始した時点において、我が国のCLIVAR関連研究が取りまとめられ、「Japanese Contribution to CLIVAR」という形で取りまとめられた。その後2004年にその後の進展を加えて改訂した「Japanese Contribution to CLIVAR:Update」(PDF:3.83MB)がCLIVAR小委員会によって取りまとめられた。

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国内のCLIVAR関連研究  *随時更新予定

1.関連機関
機関名 関連研究紹介 (pdf)
気象庁 NEARGOOS   JMA
気象庁気象研究所 WGOMD  
WGSIPreport6  report7  report8  report9  report10  report11
海上保安庁海洋情報部 JCG
水産総合研究センター遠洋水産研究所
海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター
海洋研究開発機構地球環境観測研究センター
海洋研究開発機構地球シミュレータセンター
防災科学技術研究所

2.大学

機関名 関連研究紹介 (pdf)
北海道大学環境科学院 Southern_ocean_1   Southern_ocean_2
東京大学気候システム研究センター
東京大学海洋研究所

3.関連プロジェクト
戦略的構造研究推進事業(CREST)水の循環系モデリングと利用システム
地球環境研究総合推進費による研究(環境省)
21世紀気候変動予測革新プログラム(文部科学省)
MISMO Project(Mirai Indian Ocean cruise for the Study of the MJO convection Onset)

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活動情報/報告