主要なプロジェクトと委員会の活動

WCRPは、国際的な責任、調整、連携が不可欠な、気候と気候変化に関する問題に対して大規模な研究を行うために、 合同科学委員会の下に、中核となる4つのプロジェクト、全球エネルギー・水循環観測計画(GEWEX = Global Energy and Water Cycle Experiment)気候の変動性と予測可能性研究計画(CLIVAR = Climate Variability and Predictability Project) 成層圏プロセスとその気候における役割研究計画(SPARC= Stratospheric Processes And their Role in Climate) 、 気候と雪氷圏計画(CliC= Climate and Cryosphere)および、 共同プロジェクトである海洋大気間物質相互作用研究計画 (SOLAS= Surface Ocean-Lower Atmospheric Study)を立ち上げ、学術的かつ専門的な科学的戦略を作り上げている。その組織的な構造としては、 4つの中核プロジェクトにはそれぞれの科学推進グループ(SSGs = Scientific Steering Group)、 SOLASには同じ役割を持つ科学推進委員会(SSC = Scientific Steering Committee)が設置され、プロジェクトの責任や指揮を取っており、 また各プロジェクトにはそれぞれ専属の国際プロジェクトオフィス (IPO=International Project Office)が設けられ、 事務的な補佐を行っている。

これらのプロジェクトは、実験、研究、観測活動を伴った既存の、または展開中のWCRPのプログラムの構造を通し、 COPES(=Coordinated Observation and Prediction of the Earth System、地球システムの調整された観測と予測)[PDF:1.83MB]) の下に合意されたWCRPの目的や目標の達成のために大いに貢献していくことが期待されている。

表1:プロジェクト一覧表

プロジェクト名 日本語名 英語名 設立年 目的
GEWEX 全球エネルギー・水循環観測計画 Global Energy and Water Cycle Experiment 1988 環境変化に対する応答の再現や予測を行うために、水循環と、大気内、 表層上、また海洋表層内のエネルギーフラックスの観測をし、モデル化するため
CLIVAR 気候の変動性と予測可能性研究計画 Climate Variability and Predictability 1995 長・短期的な時間スケールで起こる気候変動性とその予測性、人為的な原因による気候システムの変化を追求するため
SPARC 成層圏プロセスとその気候における役割研究 Stratospheric Processes And their Role in Climate 1993 力学・放射・大気化学の諸過程の相互作用など、気候における成層圏の役割に関する知見を進展させ、 また、それにより気候のモデリングに貢献するため
CliC 気候と雪氷圏計画 Climate and Cryosphere 2000 気候変動と気候変化が雪氷圏の構成要素や全体的な安定性にもたらす影響や、 それによって気候システムにもたらされる影響を評価し、数量化するため
SOLAS 海洋大気間物質相互作用研究計画 Surface Ocean-Lower Atmospheric Study 2001 海洋と大気の生物地球科学的な、また物理的な相互関係や、大気、海洋の共同システムによる影響、 またそれが気候や環境変化によって受ける影響を定量的に理解するため

表2:過去に達成されたプロジェクト

プロジェクト名 日本語名 英語名 設立年 目的
TOGA 熱帯海洋・地球大気計画 Tropical Ocean and Global Atmosphere 1985-
1994
エルニーニョによる気温変化のシグナルや、それに関連した季節的な気候予報の理解と予測に対する物理的な基盤を築いた。 WOCEと共に、CLIVARの研究基盤となっている。
WOCE 世界海洋循環実験計画 World Ocean Circulation Experiment 1982-
2002
当時では最大の地球規模の海洋研究プログラム。全球に渡る広範囲で新しい海洋観測結果を収集し、 新たな海洋観測技術の開発を進め、海洋の物理的な過程の解明に貢献した。
ACSYS 北極域気候システム研究 Arctic Climate System Study 1994-
2003
全球気候システム内の役割を解明するために、複雑な、相互関連性のある極域の気候システムを調査した。 CliCの研究基盤になっている。