トップページ >  WCRPとは

WCRPとはーその設立経緯と目的

WCRP 体制図

気候特に地球規模の(全球的な)気候の研究は、1957〜58年の国際地球観測年(IGY = International Geophysical Year)以降、全球的な観測が継続的に行なわれるようになったことに伴い、より活発に行われるようになった。 特に、地球全体の二酸化炭素濃度の上昇傾向が観測され、気候モデルによる二酸化炭素増加実験など気候に関するモデル研究も 実際に行われるようになり、地球温暖化という予測結果から、気候や気候変化に対する世界的関心が高まってきた。 そのような状況を踏まえ、1979年には、第一回世界気候会議(FWCC = First World Climate Conference)が開かれ、 その結果、世界気象機関(WMO = World Meteorological Organization)では、その一プログラムとして、人類の利益のために既存の気候データを応用すること、 気候プロセスに関する理解を深めること、自然及び人為的要因による顕著な気候変化を調査すること、人類の経済及び社会活動に 顕著に与える影響に関して政府に警告すること等を目的とした、世界気候計画(WCP = World Climate Programme)が発足した。

世界気候研究計画(WCRP = World Climate Research Programme)は、1980年にWMOと国際学術連合会議(1998年に国際科学会議と改称、 略称はいずれもICSU = International Council for Science)の協力の下、上記のWCPのサブプログラムとして、 (1)気候がどこまで予測可能かを究明し、 (2)人間活動の気候へ影響の程度を評価するために必要な、 物理的気候システム及び気候プロセスの科学的理解を発展させることを目的として発足した。のち1993年には、 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間海洋学委員会( IOC = Intergovernmental Oceanographic Commission of UNESCO) (注1)もスポンサーとなり、大気と海洋の相互作用を含めた物理的な気候システムや 気候プロセスの研究が進められるようになった。 この研究計画の目覚しい進展は、地球温暖化への懸念と、気候変動研究の評価の必要性をもたらし、 1988年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC = Intergovernmental Panel on Climate Change) の発足を可能とし、以後WCRPはIPCCの学術的な背景となっている。 (注1:IOCは海洋の自然現象及び資源に関して科学的調査を促進することを目的としている委員会)

WCRPは2005年、「地球システムの調整された観測及び予測( COPES = Coordinated Observation and Prediction of the Earth System)[PDF:1.83MB] 」と称する、 2005-2015年の戦略的枠組みを立ち上げた。コア・プロジェクトや、プロジェクト横断型活動を通し、 WCRPは現在、この新たな戦略を実施中である。その目的は「社会に対して直接的に関与し、恩恵を与え、 価値をもたらすというような、ますます範囲が拡大しつつある実際的な応用に向けて、 地球システムの変動性や変化の解析と予測を促進すること」である。 より多くのユーザーグループにより多方面の成果とサービスを提供することにより、 公益性を最大限にすべく、WCRPはその活動に優先順位を付け直している。 応用と、エンドユーザーへの有益性に向けての、WCRPの今後の主要な道筋のひとつは、 引き続き観測とモデルとの統合を進めて新しい知見を得ることであり、 それによって気候変動の予測から得る利益を高めることになる。 2005-2015年のCOPES戦略は、気候システムの構造と変動性の明確化、及び将来の気候予測のための基盤の創設、 という2つの目的のために、包括的で、信頼性が高く、エンドユーザーに直結する、 全球的な気候の観測・モデルの構築をさらに推し進めることになる。