事業の趣旨PURPOSE

JAMSTECは、
2021年10月に創立50周年を迎えました。

JAMSTEC(旧・海洋科学技術センター)は
1971年10月1日に発足してから
50年の節目を迎えました。

これまでの歩みを振り返り、
ご支援いただいた皆様に深く感謝するとともに
さらに未来に向かって成長し続けていきます。

JAMSTEC50周年 ご挨拶

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、本日、前身である「海洋科学技術センター」の発足(1971年10月1日)から50周年を迎えました。海洋科学技術センター発足時は役職員合わせてたった40人という小さな規模でしたが、今や年間予算300億を超え、職員も約1000名を擁する、日本を代表する研究機関に成長しました。これはひとえに、多くの皆様方のあたたかいご支援とご協力の賜でございます。厚く御礼申し上げます。

JAMSTECの設立前夜にあたる1960年代後半、我が国では、水産業、海運業、造船業等の伝統的な海洋利用の分野においては世界的に高いレベルにありましたが、先端的な科学技術を総合的に駆使した海洋研究開発の分野においては欧米に大きく遅れをとっていました。こうした危機感から、1967年には産学官が共同する財団法人・海中開発技術協会が設立され、また経団連海洋開発懇談会や日本海洋開発推進会議など民間からも、海洋科学技術研究開発のための中核的機関設置が、政府に要望されました。1971年10月1日、政府、学界、産業界の連携による強い働きかけが晴れて実を結び、政府と民間の双方からの出資を受け、科学技術庁傘下の特別認可法人として海洋科学技術センターが発足いたしました。

発足から50年間、JAMSTECは日本の海洋科学技術研究開発の中核機関として、海洋に関するさまざまな課題に取り組んでまいりました。発足後、調査船やスーパーコンピュータなどの大型設備の整備が着々と進み、現在では船舶7隻と各種探査機を擁する、海外のトップクラスの研究機関とも肩を並べる組織に成長いたしました。こうしたファシリティを活用することで多くの研究開発成果を挙げ、時々刻々と変容する社会ニーズに応えるとともに、知のフロンティアを広げる成果を次々に生み出してまいりました。

そして現在、「北極域研究船」の建造プロジェクトが進行しております。地球温暖化の影響を最も強く受ける地域の一つとして、また今後、資源開発、航路開拓等国際的な関心が高い地域として、北極域研究の推進は我が国の政策推進に必要不可欠であることから、全力で取り組んでいく所存であります。「北極域研究船」は今年8月に建造契約を締結し、令和8年の就航を予定しております。建造プロジェクトの推進においては政界などからも熱いご支援を賜り心から感謝しております。JAMSTECでは、この「北極域研究船」を国際的な研究プラットフォームとして活用することで、北極域研究の推進に貢献していきたいと考えています。

海洋は宇宙と並ぶフロンティアと言われており、我が国の排他的経済水域の面積は世界第6位、体積換算では世界第4位と試算されています。我が国の発展のためにはこの広大な海洋空間の持続的利用の実現が不可欠です。
また、近年は、防災・減災に資する情報の提供や、持続可能な社会の発展への貢献が強く求められています。JAMSTECとしても、現在の中長期計画において、果たすべき使命を、「新たな科学技術で海洋立国日本の実現を支え、国民、人間社会、そして地球の持続的発展・維持に貢献する」ことと位置づけております。
新型コロナウイルスの世界的大流行に伴い、私たちがこれまで当たり前だと考えてきた常識が激変し、まさに今、世界は変革期にあると言っても過言ではありません。

JAMSTECは、この50年で培った研究開発力を礎に、海洋探査・研究に邁進し、先進的な成果を生み出すことはもちろん、コロナ禍で浮き彫りになったさまざまな課題や社会ニーズにも柔軟に対応できるレジリエンスを備えた組織として、今後も発展してまいりたいと考えております。海洋科学技術に止まらない広い視野での科学技術開発を通じた社会貢献を目指し、職員が一丸となって取り組んで参りますので、関係各界の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援を賜りたくお願い申し上げます。

50周年記念スローガン

JAMSTECが、私たちの住み処である地球の明るい未来のために突き進み、
深遠なる海へ挑み続けることで、科学技術の発展に貢献していきたいという意思を込めました。

50周年記念ロゴマーク

5 の上部に船の旗をあしらい、0 は海と地球をイメージしています。
波間を豪快に進む研究船を、力強く前進するJAMSTECに見立て、
沖の船を拠りどころとして優雅に羽ばたく海鳥が引き立てます。
また、潜航する際の泡をモチーフに、深海へのあくなき挑戦を表現しました。