アルゴ計画の概要

アルゴ(Argo)計画とは

西暦2000年、地球全体の海洋変動をリアルタイムで捉えることを目指した前例のない大規模国際プロジェクト=Argo(アルゴ計画)がスタートしました。

アルゴ計画の要となるのは、水深2,000mから海面までの間を自動的に浮き沈みして水温・塩分等を測定することができるアルゴフロートと呼ばれる観測機器です。アルゴ計画では、このフロートを世界中の海洋で約3,000台稼働させることを目標の一つとしています。これが達成されると、深層を除く海洋の全体構造が約 300km平均間隔(緯度・経度にして約3度毎)で実況として捉えることが可能となります。2005年に全世界稼働アルゴフロートが3,000台を達成し、その後も継続的に維持しています。

2024年現在、アルゴ計画に参加しているのは20か国以上に上ります。このうち、特に積極的にフロート展開を行っている国はアメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツ、カナダ、日本、イギリス、イタリア、中国、インドなどです。

また、これまで進めてきたアルゴ計画に加えて、生物地球化学項目の観測や2,000mを超える深海の観測に拡張し、極域を含む真のグローバルな範囲にアルゴ観測網を構築する“OneArgo”がOceanOPS’19に提唱され、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」のプロジェクトとして2021年に承認されました。生物地球化学項目、深海観測用フロートを含めて統合的に運用し、合計4700台のフロートを展開するという目標達成に向けて世界各国で協力して推進しています。

日本におけるアルゴ計画

日本では政府が推進する ミレニアム・プロジェクトの一環として2000年度から2004年度まで文部科学省と国土交通省が連携し、関係機関の協力の下、『高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築』を実施してアルゴ計画を推進してきました。(「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」最終評価報告書

なお、2005年度以降もアルゴ計画にオール・ジャパンの体制で積極的に参加するため、 関係機関と学識経験者から構成される「アルゴ計画推進委員会」を設置して国内の協力体制を維持・強化しています。