更新日:2022/04/15

公募研究

塩分が関与する中緯度大気海洋相互作用と海洋熱波

研究代表者 安田一郎* (東京大学・教授)
研究協力者 松浦知徳* (東京大学・特任研究員),新沼拓*(東京大学大気海洋研究所、現:富士通)
[学位:*海洋学,#気象学]

2014-2015年に北米西岸で発生した海洋熱波は、北米西岸域の気象や海洋生態系に大きな影響を及ぼし、社会問題となりました。本公募研究に先立ち行なった、海洋観測データの解析から、2014-2015年や2019年の北米西岸での海洋熱波に先行して、塩分・水温・力学高度偏差を伴う海洋大規模海洋擾乱が、北太平洋西部から中央部で出現・東進し、北米西岸での海洋熱波に発展した可能性があることを見出しました(図)。本研究では「東進する海洋大規模擾乱が北米西岸での海洋熱波の元となる」を作業仮説として、特に東進が顕著に観測される塩分に着目して、観測データと大気海洋結合モデルデータの解析を行い、中緯度大気海洋相互作用を通じて生じる擾乱発生・伝搬・増幅過程を明らかにして、予測可能性を高めることを目的として研究を行います。また、18.6年周期潮汐混合変動の影響が入った気候モデルの出力や観測データの解析を進め、18.6年周期潮汐振動に関連して研究を進めます。

図. 2014-2015海洋熱波とその前後における、2012-2016年における年平均偏差水平分布:(1段)海面水温、(2)2000m基準海面力学高度、(3)0-300m平均水温、(4)0-300m平均塩分。縦緑破線は高塩分偏差の中心経度、赤破線は高水温偏差の中心経度を示す。