南海トラフにおいて一定規模以上の地震が、想定震源域あるいはその近傍で発生した場合や、通常と異なるゆっくりすべりが進行した場合に備えて、現実的な3次元粘弾性地下構造モデルを構築し、地震履歴ならびに固着・すべりの現状把握の結果を受け、その後の推移を予測する手法を確立します。
- 震源決定や固着・すべりモニタリングと共通の弾性モデルと、過去の地殻変動データと整合する3次元粘弾性構造モデルの構築と、それを用いた前回南海トラフ地震以降の応力蓄積過程の計算
- 過去の地震履歴情報を拡充するための海底津波堆積物・津波史料・陸上津波痕跡調査の実施
- 地震履歴情報と固着・すべりの現状把握結果のもとでの断層の固着・すべり時空間推移計算手法の開発
南海トラフ地震に関連する「臨時情報」への貢献
3次元粘弾性構造モデルを構築し、長期の地震履歴情報ならびに課題(b)の固着・すべりの現状把握結果を取り入れた応力状態の評価をした上で、擾乱(半割れ等)が与えられた際の粘弾性応答と断層すべりの推移を予測する手法を確立する。

- Agata et al., 2019, MGR, https://doi.org/10.1007/s11001-019-09380-y
- Hori et al., 2019, MGR, https://doi.org/10.1007/s11001-014-9226-8
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センターウェブサイト https://www.gsj.jp/geology/fault-fold/formation/index.html
- 今井・他(2019, JPGU)