防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト

防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト

研究紹介

2.地震防災情報創成研究
(f)発災時の大都市機能の維持

廣井 悠

課題代表  廣井 悠

東京大学工学系研究科 教授

南海トラフ地震発生時あるいは南海トラフ地震臨時情報発表時に、その後に発生しうる災害事象・社会現象を定性的に予測し、「都市機能の維持」に必要な対策をリアルタイムで抽出するための研究を実施します。
また、地震発生の多様性を考慮した長周期地震動の予測評価結果に基づき、モデル地域に対して建物内のエレベータに生じる障害の発生と復旧過程をシミュレーションします。

 
  • 南海トラフ巨大地震に焦点を絞り、これまでの教訓から災害事象間の因果を機械学習によって抽出し、膨大な災害事象の因果データベースを構築する
  • 上記の因果データベースを利用して、近い将来に起こりうる災害事象をリアルタイムで予測する定性的リアルタイム被害予測技術を実装する
  • 上記の技術を用いて、大都市機能を維持するためのオペレーションタイムライン作成手法を検討する
  • 特に首都圏におけるエレベータの復旧オペレーションを対象として社会実装する
高度かつ複雑な大都市の機能維持をはかる

災害事象の因果データベース構築と定性的リアルタイム被害予測

災害時にも機能維持が可能な「大都市」を実現する復旧タイムライン

災害事象間の因果を機械学習によって抽出し、作成した災害事象の因果データベース(JSTさきがけ研究の成果)を「都市機能の維持」という点に焦点を絞り、高度かつ複雑な大都市で、どの被害が起きたらどのような現象が発生するかを詳らかにする。これを用いて、災害直後に推定された被害量から、中長期的にどのような事象が発生するかを定性的に予測する技術を開発する。さらに、高層建築物のエレベータ復旧オペレーションを対象として社会実装をはかる。

(d) 臨時情報発表時の人々の行動意思決定に資する情報の提供