デイリーレポート
航海についてへ戻る
【第315次研究航海 デイリーレポート】

December

12.18, 2007
Day: 33

天候:半晴
サイト:C0002 (NT3-01) (33°18’ N, 136°38’ E)

掘削孔Dにおいて海底下204mまでコア採取を実施しました。その後、音響測位装置と掘削パイプを船上に回収し、本航海における全ての作業を完了しました。「ちきゅう」は、引き続き開始する第3次研究航海での掘削に向けて、サイトC0004とC0005の海底に音響測位装置を設置しました。
乗船研究者は掘削孔Dで採取したコアで物性の測定と間隙水の分析を行いました。また、サイトC0002の成果をとりまとめるためのミーティングを行い、各研究グループが解析結果を報告しました。このサイトで採取したコアは4つの岩相に分類され、熊野海盆堆積物からなるユニットと付加体のユニットとは構造、化学組成、物性等が明らかに異なることが観察されました。

12.17, 2007
Day: 32

天候:半晴
サイト:C0007 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

次年度以降の将来のライザー掘削に向けた浅部土質強度の調査として、掘削孔Dにおいて水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)よるコア採取を行いました。同時に孔内の温度計測を行い、海底下159mまでの地層温度の変化を調べました。採取したコアを赤外線カメラで観察したところ、砂層にメタンハイドレートの存在を確認しました。
乗船研究者はサイトC0002のレポートを作成し、採取したコアの土質評価と計測を続けています。

12.16, 2007
Day: 31

天候:半晴
サイト:C0002 (NT3-01) (33°18’ N, 136°38’ E)

掘削孔Cで水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によるコア採取を開始し、コアを2本採取しました。引き続き、掘削孔Dでのコア採取を始めました。研究区画では、採取した円柱状のコアからのサンプル採取と、剪断応力強度や非破壊計測を行っています。掘削孔Dでは孔内の温度測定も実施しました。乗船研究者はサイトC0002のレポート作成と、コアから採取したサンプルの計測を行っています。

12.15, 2007
Day: 30

天候:半晴
サイト:C0002 (NT3-01) (33°18’ N, 136°38’ E)

掘削孔Bの孔内状況が悪化したため、孔壁を安定させる作業を繰り返し行いました。しかし状況が改善しなかったため海底下1057m地点でコア採取を終了することを決定しました。現在は、同じサイトで水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によるコア採取を準備しています。これは将来のライザー掘削に向けて、浅部の土質強度を調査するためのものです。 乗船研究者は掘削孔Bで採取したコアの計測と肉眼による記載を続けています。現在乗船中の第315次と、すでに交代して乗船した次の第316次の研究者が参加してミーティングを開き、明日以降に採取する予定のコアについて、各種計測と記載作業の分担について確認しました。またサイト終了のレポートに向けたミーティングの開催予定を話し合いました。

12.14, 2007
Day: 29

天候:半晴
サイト:C0002 (NT3-01) (33°18’ N, 136°38’ E)

掘削孔Bで回転式掘削によるコア採取を海底下976.5mから1057mまで行いました。コア回収率は約40%です。58本目のコア採取以降、何回か通常より短い4.5mのコアバレルを使用しました。その結果、2-3m分のコア試料が採取でき、短いコアバレルの方が、回収率が良いことがわかりました。 乗船研究者はサイトC0001のレポートの初稿を書き終え、共同主席研究者と研究支援統括が査読中です。掘削孔BのコアでX線CTスキャン等の計測と肉眼による記載も続けています。構造地質のグループは付加体のコアに見られる変形構造を注意深く記載しています。

12.13, 2007
Day: 28

天候:満天雲
サイト:C0002 (NT3-01) (33°17’ N, 136°38’ E)

掘削孔Bで回転式掘削によるコア採取を海底下853 mから976.5 mまで行いました。泥水循環中に目詰まりが発生したため、この間のコア回収率は平均で約30%です。海底下約920 mで熊野海盆堆積物の基底部に到達し、付加体に進入すると岩相と構造が大きく変化しました。
乗船研究者の約半数が下船し、次の第316次研究航海の研究者と交代しました。掘削孔Bのコアで、X線CTスキャン等の計測と肉眼による記載を引き続き行っています。

12.12, 2007
Day: 27

天候:曇
サイト:C0002 (NT3-01) (33°17’ N, 136°38’ E)

掘削孔Bで回転式掘削によるコア採取を海底下722.5 mから853 mまで行いました。コア回収率は平均で約40%ですが、徐々に改善されています。 乗船研究者は掘削孔Bのコアで、X線CTスキャン等の計測と肉眼による記載を続けています。セミナーが開かれ、Samuel Hulme氏(ハワイ大学・米国)が太平洋縁辺で行われている深海底の流体循環過程の研究について、近年の成果を発表しました。

12.11, 2007
Day: 26

天候:曇
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削孔Bで回転式掘削によるコア採取を海底下628 mから722.5 mまで行いました。途中で一旦コア採取を中断し、船上の動揺吸収装置(CMC)の修理を行いました。
乗船研究者は研究航海を総括するミーティングを行い、今後の研究航海計画や研究報告会の開催について議論しました。サイトC0002のコアの密度・質量計測や撮影、X線などの通常の計測と肉眼による記載、C0001のサンプルでのプラズマ質量分析計(ICP-MS)による分析も続いています。

12.10, 2007
Day: 25

天候:曇
サイト:C0002 (NT3-01) (33°17’ N, 136°38’ E)

掘削孔Bで、回転式掘削によるコア採取を海底下475 mから開始しました。24時現在海底下628 mまで進んでいます。
乗船研究者は掘削孔Bのコアで、通常の計測と肉眼による記載を始めています。同じ深度の微化石年代を比較すると、サイトC0002の堆積物はサイトC0001のものよりかなり若い年代であることが分かりました。これらの作業と併行して、サイトC0001のコアから採取したサンプルで、プラズマ質量分析計(ICP-MS)によるヨウ素分析を行っています。研究航海のレポートについては、まず研究手法についての章を共同首席研究者と研究支援統括が査読しています。

12.9, 2007
Day: 24

天候:半晴
サイト:C0002 (NT3-01) (33°17’ N, 136°38’ E)

掘削孔Bで回転式掘削を開始しました。海底下50 mまでは水圧を加えて進入し、コア採取をせずに海底下414 mまで進んでいます。 乗船研究者はプラズマ質量分析計(ICP-MS)により、岩石中の隙間に含まれる水の分析を続けています。またセミナーを開き、Jan Behrmann博士(キール大学ライプニッツ海洋科学研究所・ドイツ)がメキシコ湾で行われたIODP第308次航海の結果について講演しました。

12.8, 2007
Day: 23

天候:半晴
サイト:C0002 (NT3-01) (33°17’ N, 136°38’ E)

掘削孔Iの音響測位装置を回収し、廃孔作業を完了しました。これにより本サイト(C0001(NT2-03))における作業を終了し、引き続き、次のサイトC0002(NT3-01)に移動後、掘削孔Bで回転式掘削を開始する準備をしています。
乗船研究者は自然ガンマ線強度の再計測を完了し、無機炭素分析をしています。またプラズマ質量分析計(ICP-MS)を使い、岩石中の隙間に含まれる水の中の金属元素の分析を始めています。サイトC0001の終了にあわせてミーティングを開き、各グループから結果について報告がありました。海底下210 mの地点を境に大きな変化が起きていることが、いくつかの測定で確認されました。

12.7, 2007
Day: 22

天候:半晴
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

掘削孔Iでの作業中、海底下433m~467m地点で孔壁が崩れて掘削パイプが埋まりましたが、約71トンの力を掛けることにより離脱しました。この結果を受け、船上では協議が行われ、この地点でのコア採取は断念することに決定しました。掘削パイプと音響測位装置を回収しています。 乗船研究者はサイトC0001のレポートを作成しています。同時に、採取したコアの自然ガンマ線強度の再計測を続けています。X線回折の測定は完了しました。

12.6, 2007
Day: 21

天候:半晴
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

掘削孔Iにおいて、孔壁が崩れて掘削パイプが何度か埋まりましたが、孔内を安定化させる作業を行い、コアの採取深度に向けて掘削を進めました。しかし、海底下520mまで進んだ段階で孔内状況が悪化し、安定化させる作業を繰り返しています。
コア・検層・地震反射波のデータ統合研究者は、コアの自然ガンマ線強度測定の結果と、前の航海(Expedition 314)の掘削同時検層(LWD)で取得したガンマ線のデータがよく一致することを確認しました。乗船研究者はセミナーを開き、Mike Underwood博士が南海トラフに沈み込んでいく物質について講演を行いました。

12.5, 2007
Day: 20

天候:半晴
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

掘削孔Hの孔壁を安定化させながら回転式掘削によるコア採取システムを再降下していましたが、孔壁の状況が十分に改善しないため、13時00分に本孔でのコア採取を断念することとしました。掘削パイプを海底面まで引き上げ、東に60m移動し、16時00分に新しい掘削孔Iでの掘削を開始しました。海底下70mまでは水圧で圧入し、24時00分までに海底下303.0mまで回転式掘削でコアを採取せずに掘り進んでいます。 乗船研究者は12月4日に高圧ユニットを交換して修理が終わったX線回折装置を使って測定を再開しました。自然ガンマ線強度の測定と、より詳しい無機化学的な分析も進行しています。また、レポートの作成も始まり、共同首席研究者と研究支援統括が査読を始めるところです。

12.4, 2007
Day: 19

天候:半晴
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

掘削孔Hにおいて、孔壁を安定化させる作業を終了し、掘削編成を一旦船上に回収しました。掘削地点から黒潮の流れに逆らいながら6海里移動し、そこからコア採取用の回転式掘削編成の降下を開始しました。20時10分に水深2197.0mの海底に到達し、掘削編成を掘削孔Hに再降下しました。24時00分現在、孔壁を安定化させながら海底下344.5mまで再降下しています。
乗船研究者は、自然ガンマ線強度の測定を続けるとともに、コアから採取したサンプルを使ってP波速度と電気伝導度の測定をしています。これらの結果は前の航海で得られた検層データとよく一致しています。

12.3, 2007
Day: 18

天候:半晴
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

掘削孔Hにおいて海底下590.5mまで掘削を進め、引き続き、孔壁を安定化させる作業を続けています。
乗船研究者は、第314次研究航海で採取した掘削孔Bの土質評価用コアを含め、これまでに取得したコアからのサンプル採取を完了しました。また、コア採取時に機器の故障で計測できなかった自然ガンマ線強度の測定を再度行いました。船上で科学セミナーを開催し、乗船研究者の廣野哲郎さん(日本)とWen-Lu Zhuさん(アメリカ)が、台湾でのチェルンプ断層掘削の成果について紹介しました。

12.2, 2007
Day: 17

天候:半晴
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

掘削が難しい地層を掘り飛ばすため、回転式掘削によるコア採取編成を変更し、コア採取を行わない掘削編成による掘削を掘削孔Hで再開しました。掘削孔が崩れるのをコントロールしながら海底下564.0mまで掘り進んでいます。
乗船研究者は掘削孔E、F、Hで採取したコアから、各自の研究計画に基づくサンプル採取を完了しました。微化石研究者は、掘削孔EとFのサンプルで化石に基づく年代推定を行い、古地磁気分析に基づく年代推定との相関について議論を行いました。

12.1, 2007
Day: 16

天候:半晴
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

海況が落ち着き、無人探査機(ROV)の船上への回収作業を再開しました。作業は、いったん黒潮の流れの弱い地点まで移動して行ったため、現在、掘削孔の位置まで「ちきゅう」を戻しています。
乗船研究者はレポートの作成に着手しています。同時に半割したコアから研究者各自の研究計画に基づくサンプルの採取を進めています。これまでは時間がかかる円柱状サンプルの採取を優先していましたが、コア採取を行っていない期間を利用して、航海の後半に予定していた半割したコアからのサンプル採取も予定を早めて実施しています。


November

11.30, 2007
Day: 15

天候:満天雲
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

天候が回復し、掘削孔Hでの回転式掘削によるコア採取を再開しました。コアを2本採取した後、掘削孔内の状態が悪化したため、海底下457.8m地点でコア採取を一時中断し、まず掘削のみを実施することとしました。掘削パイプと先端の掘削ビットを船上に回収し、コア採取を行わない掘削編成への変更作業を行っています。海中の無人探査機(ROV)の回収には、もう少し海況が良くなる必要があるため、現在は待機中です。
研究ラボでの、コアの記載と各種データ計測は順調に進んでいます。科学支援技術者は半固結状態の岩石で薄片試料を作る方法を試し、非常に良いサンプルを作成しています。

11.29, 2007
Day: 14

天候:雨
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

午前7時00分、円錐状の孔口ガイドの海底設置を完了しました。悪天候のため、天候回復待ちでコア採取は行わず、掘削機器の点検などを行っています。
乗船研究者は船内でコアの計測とサンプリングを続けています。悪天候のため、船体の振動は収まりませんが、コアのデジタル画像にノイズが出る問題は科学支援技術者の努力が実りかなり改善しました。通常の計測に加えて、ICP発光分光分析計や蛍光X線分析装置によりコア試料の元素組成の同定を行っています。
乗船研究者の何人かは悪天候で船が揺れるため船酔いしています。大きな船体の「ちきゅう」でも、やはり揺れるのです。

11.28, 2007
Day: 13

天候:雨
サイト:C0001 (NT2-03) (33°14’ N, 136°42’ E)

引き続き、掘削孔Hで回転式掘削(RCB)によるコア採取を実施しています。海底下414.5mの地点で掘削パイプの回転トルクが上昇する状況がありましたが、掘削孔内の循環水の粘性を調整し、現在は通常の状況に戻っています。13時00分時点で海底下448mまでコア採取を行いました。昨夜からの悪天候と低気圧の接近に備え、回転式掘削によるコア採取をいったん中断し、円錐状の孔口ガイドを海底に設置しています。これは想定される地層に応じて掘削編成を変更するため、掘削パイプを船上に回収した後、もう一度同じ掘削孔に戻って作業を再開する際にパイプを導くための機器です。本日実施した回転式掘削によるコア採取では、ほぼ完全な長さのコアも1本回収しましたが、サンプル回収率は30-35%程度でした。
乗船研究者は、コア全体の計測を続ける一方で、半割したコアから各自の研究計画に基づくサンプルの採取を始めました。悪天候の影響で発生している振動が計測機器に悪影響を及ぼし、コアをスキャンしたデジタル画像にノイズが混じるようになり、再計測が必要となっています。構造地質の研究者グループは微小な断層の形状と古地磁気データから、過去の応力場を復元しようとしています。その他、共同主席研究者と研究支援統括から乗船研究者に今後の掘削作業予定について報告をしました。

11.27, 2007
Day: 12

天候:雨
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

引き続き、掘削孔Hで回転式掘削(RCB)によるコア採取を行っています。24時00分までに海底下397.5m地点まで掘り進んでいますが、採取したコアの中に泥岩の丸い礫が見つかりました。これは孔壁が不安定になっているときによく見られるもので、想定していた掘削困難な地層に近づいていることを示しています。回収されたコアは概ね高品質で、今後の研究に有用なサンプルを採取できています。乗船研究者はコアの各種データ計測と肉眼による記載を続けており、物理特性を研究する科学者らは、コア採取と同時に計測した孔内の温度とコアの熱伝導率データの結果から付加帯における温度勾配を計算しました。温度勾配は付加帯の熱流量を知る上で重要なデータであり、また同じ場所で今後ライザー掘削と長期孔内計測を行う上で必要となる、地中温度の推定にも役立ちます。昨日から引き続き、変形・切断面に着目したCT画像の精査も続けています。その他、乗船研究者には航海後の研究成果の公表義務に関する説明が行われました。

11.26, 2007
Day: 11

天候:曇
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

掘削孔Hでの回転式掘削方法(RCB)によるコア採取は、これまでの掘削によりコア採取が終わっている海底下230m以深から開始しました。17時04分に最初のコアを船上に回収し、24時00分時点で6本目のコア採取を進めています。
乗船研究者は回転式掘削で得られたコアの各種データ計測と肉眼による記載を始めています。最初の2本のコアは掘削孔Fのコアと同じ深度から採取したコアでしたが、X線CT画像で確認したところ、回転式掘削で採取したコアの方が、伸縮式コア採取システム(ESCS)に比べて掘削による乱れが少ないことがわかりました。円柱状コアでの熱伝導率の測定が終了し、続いて半割後、小さくサンプリングをして各種物性の計測を始めています。構造地質のグループは科学支援技術者の協力を得て、断層や応力を受けた痕跡が見られる部分の岩石薄片を作成しています。また、CT画像中に見られる変形・切断面に着目し、画像データを精査しています。

11.25, 2007
Day: 10

天候:半晴
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

11月25日午前1時30分より、回転式掘削方法(RCB)によるコア採取を開始しましたが、掘削開始直後、無人探査機(ROV)のケーブルが掘削パイプに巻き付いてしまったため、掘削を中止し、掘削パイプを船上に回収しました。機器の点検により異常がないことを確認し、掘削地点を10mほど移動し、新しい掘削孔Hで機器の降下作業を再開しています。 乗船研究者は掘削孔Fで採取した21本のコアの計測と記載を完了し、コアからサンプルを採取する手順を研究者間で確認しました。通常のサンプリングに加えて、構造的に特に重要な部分のサンプリングに関しては、専門の作業グループを形成し、議論しています。

11.24, 2007
Day: 9

天候:半晴
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

コア採取システムを一旦船上に回収し、11月24日13時00分に回転式掘削方法(RCB)によるコア採取に向けて掘削機器の降下を開始しました。乗船研究者は掘削孔Fで採取したコアの各種データ計測、肉眼による記載を続けています。前の研究航海で得られた掘削同時検層(LWD)のデータと、今回採取した実際のコアにおける断層などの地層の変形構造との比較検討を行っています。

11.23, 2007
Day: 8

天候:半晴
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

掘削孔Fにおいて海底下220mまでコア採取を続けています。この掘削孔では、水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によって19本のコアを取得しました。11月23日午前6時00までに海底下約250mまで掘削しましたが、地層の変化により、このコア採取方法では掘進が難しくなってきたために、コア採取装置を別の方式(伸縮式コア採取システム:ESCS)に変更し、2本19m分のコアを採取しました。コアの回収率は、ほぼ100%ですが、掘削によるコアの乱れがX線CTスキャナー画像にて確認されたため、回転式掘削方法(RCB)に変更する判断をしました。
乗船研究者はコアの各種データ計測、肉眼による記載をフル体制で続けています。また2箇所の掘削孔での比較も行っています。構造地質の研究者は、地層の変形構造の詳細な記載を行っています。

11.22, 2007
Day: 7

天候:半晴
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

第1次研究航海(IODP Expedition 314)から通算して、本サイト(C0001(NT2-03))で6番目となる掘削孔Fにおいて、水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によるコア採取を行っています。約2時間に1回の頻度でコアが船上に回収されてきています。コア処理の改善点などを常に検討しながら、乗船研究者はコアの処理を続けています。10番目のコアが船上に回収された際、コアを1.5mに切断するエリアで、コアが入ったプラスティック製のケース(コアライナー)が破損しました。これは、堆積物中に多量のガスが含まれており、膨張した為と考えられます。ガスが多く含まれている地層なので、注意して作業にあたっています。

11.21, 2007
Day: 6

天候:半晴
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

14回目のコアリング中、コア採取機器の一部が壊れたためこの掘削孔での作業をとりやめ、20mほど移動した地点で、新たに掘削を再開しました。5本のコア・42.9mのコア試料を回収しました。その間に温度計測も2回行いました。
乗船研究者は採取したコアの分析処理、計測を続けています。

11.20, 2007
Day: 5

天候:曇
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によるコア試料採取は海底下89.6 mまで進みました。このコア採取では同時に地層の温度計測も4回行っており、良好な計測ができました。乗船研究者は採取したコアの分析処理、計測を続けています。
コア試料中の堆積物がガスを含んでおり船上で膨張するため、切断時の基準の長さ(150cm)よりも、15 cmも長く(165cm)なったコアもありました。

11.19, 2007
Day: 4

天候:曇
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

船上での掘削機器の点検・修理を終え、水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)を海底に向け降下しました。途中、強潮流による激しい振動によりコア採取システムの一部がパイプ内で外れる事態が起きましたが、すぐに再設置し、11月20日午前4時15分、水深2217m地点において南海掘削で最初のコア採取を開始しました。午前5時00分に1本目のコアを船上に回収しています。

乗船研究者は、最初のコアサンプルが船上に回収されてくるのに備えて、分析・処理の準備に取りかかり、古地磁気研究者と古生物研究者は地層の年代決定のための基準について話し合いました。船上に回収したコアは手順に従って処理を進め、X線CTスキャナーにより良好な三次元コア可視化データを取得しています。また、地層の温度計測を2回目のコア採取時に実施し、高品質なデータの取得に成功しました。

11.18, 2007
Day: 3

天候:半晴
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

引き続き、船上ではコア採取開始に向け、ウインチシステムの点検と修理を行っています。この期間に、掘削開始直前会議を開催し、また、先の航海で掘削した土質評価用コアの記載と計測を行っています。研究者はコア配分管理、処理と計測の手順、データ登録に関する確認を行っています。また、安全統括者による船内確認を実施しました。科学支援技術者も全員揃い、研究室の最終準備が行われています。

11.17, 2007
Day: 2

天候:曇
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

水圧式ピストンコアリングシステム(HPCS)によるコア試料採取を行うため、午前6時00分に掘削パイプを海面下約1600mまで降下しました。しかし、ウインチシステムの不具合が発見され、掘削パイプを一旦船上に引き上げました。昨日、本航海の研究者全員の乗船が完了し、すぐに安全訓練、船上での生活その他に関する確認を行い、24時間体制のシフトを開始しました。ラボでは、研究機器類の準備や手順の確認などを行い、掘削孔の温度計測方法について、孔内計測技術者、コア技術者、掘削操業監督と確認を行っています。

11.16, 2007
Day:1

天候:満天雲
サイト:C0001(NT2-03)(33°14’ N, 136°42’ E)

11月16日午前0時より第2次研究航海(IODP Expedition 315)を開始しました。すでに、首席研究者ら一部の乗船研究者は、ヘリコプターで11日から乗船し、先の航海(第314次研究航海)からの引継ぎや、コア試料処理の準備などを行ってきました。研究室ではサンプル採取方法や処理などについて最終確認を行っています。本航海では、C0001(NT2-03)サイトに戻り、コア採取を行う予定です。