デイリーレポート
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【第316次研究航海 デイリーレポート】

February

2.5, 2008
Day: 49

天候:半晴
サイト:新宮港に向けて回航中

午前6時00分に新宮港に投錨し、午前7時00分にパイロットが乗船、新宮港へ移動しました。午前9時00分に「ちきゅう」は新宮港に接岸し、49日間にわたった第316次研究航海が完了しました。

2.4, 2008
Day: 48

天候:半晴
サイト:新宮港に向けて回航中

新宮港に向けて回航中です。明日2月5日の朝に着岸予定です。船上では全てのコアの計測を終え、採取したサンプルを発送するために荷造りをしています。

2.3, 2008
Day: 47

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

本航海の掘削作業を全て終え、ガイドホーンの解体を行っています。また天候の回復を待って、音響測位装置を回収する予定です。乗船研究者は、最後のコアで古地磁気と物性の計測を行っています。それ以外の計測や記載は全て完了しました。プレリミナリーレポートもほぼ完成しています。

2.2, 2008
Day: 46

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

サイトC0008の掘削孔Cでコア採取を続けています。水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)では回収率も良く、粘土より粒が大きく粗いシルトと呼ばれる堆積物、砂、火山灰を含む泥岩を採取しました。HPCSでの貫入が難しくなってからは伸縮式コア採取システム(ESCS)に変更し、コアを一本採取しました。コアの質は、肉眼による岩相の観察など簡単な記載をするには問題ありませんでしたが、このサイトの深いところのコアで期待されていた空隙ガス、間隙水、ハイドレートや微細なサンプルを採取するには適していませんでした。このサイトでの科学目的と目標深度は達成できたと判断し、改良型の伸縮式コア採取システムのテストを行い、コアの質、回収率ともに良好な結果を得られました。

2.1, 2008
Day: 45

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

サイトC0008の掘削孔Cでコア採取を続けています。水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)を使って、粘土より粒が大きく粗いシルトと呼ばれる堆積物、砂、火山灰を含む泥岩を回収し、回収率も良好でした。回収されたコアからは、浅い深度で断層や破砕された物質を観察できました。深いところのコアでは、ガスハイドレートが砂や火山灰を含む層に散在しているのが、赤外線カメラで探知できました。


January

1.31, 2008
Day: 44

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

伸縮式コア採取システム(ESCS)と水圧式ピスコンコア採取システム(HPCS)での掘削を進めていましたが、未固結の砂層のため約80メートル分の掘削でコアをほとんど回収できませんでした。そのため、同じサイトC0008の新しい掘削孔Bに移ることにしました。必要な許可を得た後、掘削孔Aでの作業を 完了し、掘削孔BでHPCSでのコア採取を開始しましたが、海底面でのコア採取ができなかったため、次の掘削孔Cに移り、再度海底面のコアを採取しました。そのまま掘削孔Cでのコア採取を続けています。いくつかのコアではわずかながら硫化水素ガスが検出され、ガスの換気を確保するため普段以上に時間がかかっています。乗船研究者は陸上のスペシャリティコーディネーターと連絡を取り合いながら、最優先で集めるデータを検討しています。

1.30, 2008
Day: 43

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

掘削サイトC0008で伸縮式コア採取システム(ESCS)でのコア採取を行いました。掘削速度は大幅に上がりましたが、一方で回収率はほとんど0%という状況でした。わずかに回収された物を見ると主に砂でした。砂層の掘削が100メートル近く続いたため、新しい掘削孔でのコア採取を検討しています。

1.29, 2008
Day: 42

天候:満天雲
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

掘削サイトC0008で斜面堆積物のコア採取を続けています。地層の固結により水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)での回収が難しくなってきたため、伸縮式コア採取システム(ESCS)に変更しました。回収されたコアは泥岩が主で、砂と火山灰を含む層やわずかな変形構造が観察されています。

1.28, 2008
Day: 41

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)で分岐断層付近の斜面堆積物のコア採取を続けています。回収されたコアは、主に洪水や地震などにより発生した混濁流が海底斜面を流れることより形成された堆積物(タービダイト)層と火山灰層で、それ以外にも砂を含む層や変形構造が観察されています。コア採取作業に合わせて、研究区画でのコアの解析も順調に進んでいます。

1.27, 2008
Day: 40

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

3時17分、掘削サイトC0008で水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)による斜面堆積物のコア採取を開始しました。回収率、コアの質ともに良好です。回収されたコアは柔らかい泥質堆積物で、砂層と火山灰層が見られます。泥質堆積物には変形作用の痕跡が見られます。

1.26, 2008
Day: 39

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

新しいサイトC0008に音響測位装置を設置し、船の位置を調整しています。船上から水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)の掘削編成を海中に降下しています。

1.25, 2008
Day: 38

天候:半晴
サイト:C0008 (NT2-10) (33°12’ N, 136°43’ E)

掘削サイトC0006とC0007から音響測位装置を回収し、次のサイトC0008(NT2-10A)に移動しました。船上では、サイトC0007で得られたコアの記載とデータ計測、サンプル採取が完了しました。幅広い種類の断層岩が観察され、断層や破砕を受けた層が複数確認されました。また微化石年代から、年代の逆転を示す層も見つかりました。これらの観察データを統合する作業が進行中です。今日行われる研究ミーティングで、各研究グループがサイトC0007の結果を報告し、その内容について二日間でレポートにまとめる予定です。

1.24, 2008
Day: 37

天候:半晴
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

回収率1%以下のコア採取が3本続いたため、回収率を改善するために掘削流体の詰まりを除去する作業を行いました。掘削データによると、ドリルビットにはほとんど負荷がかかっておらず、掘削流体の流量も少ないにも関わらず掘削速度が非常に速いことがわかりました。回収できた少量のサンプルを見ると、岩相は未固結で砂を非常に多く含んでいるようです。これらのデータと、事前の地震波探査および第314次研究航海で得られた掘削同時検層(LWD)データから、この地点に厚い砂層があることが示唆されます。さらに、孔内の状況が次第に悪化してきたため、この地点での掘削を終了することにしました。現在は、この地点の最深部から得られた微化石から年代を推定しようとしています。

1.23, 2008
Day: 36

天候:満天雲
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

破砕や断層を含む泥岩の掘削とコア採取を続けています。30本目から33本目のコアは回収率が0%もしくは、回収できても極端に低く、採取コアの船上でのX線CTスキャンや肉眼での観察でも異常が見られました。これらのコアの掘削速度が非常に速かった(7分で9.5mのコア採取)ことを考えると、この地層は未固結で非粘着性のものだったようです。

1.22, 2008
Day: 35

天候:満天雲
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

終日、回転式掘削(RCB)によるコア採取を行いました。回収率、コアの質ともに良好です。岩相はやや固結した泥岩で、砂や、粘土より粒が大きく粗いシルトと呼ばれる堆積物や、火山灰層が含まれています。破砕や断層のある層も観察されています。

1.21, 2008
Day: 34

天候:満天雲
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

終日、回転式掘削(RCB)によるコア採取を行いました。回収率、コアの質ともに改善していますが、コアが全く回収できなかったことも二度ありました。これは、回収時に船の揺れが大きかったことが原因と思われます。深度が深くなるにつれ、泥岩が占める割合が増えています。

1.20, 2008
Day: 33

天候:雨
サイト:C0007 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

回転式掘削(RCB)によるコア採取を続けています。回収率、コアの質ともに良好です。コアは火山灰層を含む泥岩が主ですが、破砕や断層を示す特徴も観察されています。

1.19, 2008
Day: 32

天候:半晴
サイト:C0007 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削孔Dで回転式掘削(RCB)によるコア採取を海底下175mから開始しました。最初の2本のコアは回収率が悪く、コアキャッチャーには掘削孔Cで見られたような砂の痕跡が残っていました。3本目のコアでは3m以上のやや固結した泥岩を採取できました。それ以降採取されたコアでも、泥岩が続いています。乗船研究者は得られたコアの分析と記載を再開しました。併行してこれまでのサイトのレポート作成も行っています。

1.18, 2008
Day: 31

天候:半晴
サイト:C0007 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削パイプを全て揚収した後、次の掘削孔Dでの作業を開始するための地球深部探査センター(CDEX)からの許可を待っている間、音響測位装置を回収しました。午後4時に許可が得られたため、すぐに準備を始めて回転式掘削(RCB)の編成でパイプを降下しています。

1.17, 2008
Day: 30

天候:半晴
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

伸縮式コア採取システム(ECSC)によるコア採取は、砂などを多く含んだ地層となったため回収率が上がらず、再度、水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)に戻して、ある程度の試料を回収できました。

1.16, 2008
Day: 29

天候:半晴
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

伸縮式コア採取システム(ECSC)によるコア採取を続けています。コアの回収率は砂層の厚さによって変わるようで安定しません。また、コア回収用のウインチに不具合が発生し、作業に若干の遅れが生じています。

1.15, 2008
Day: 28

天候:半晴
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によるコア採取は、コアを4本採取した段階で地層に貫入しなくなりました。厚い砂層があるためかもしれません。このためコア採取方式を伸縮式コア採取システム(ESCS)に変更しました。あわせて掘削深度50メートル毎に孔内温度計測を行っています。最初はコアの回収率が低かったものの、地層が固くなり、また砂層の厚さが減るにつれて回収率は上がっています。

1.14, 2008
Day: 27

天候:満天雲
サイト:C0007 (NT1-03A) (33°01’ N, 136°47’ E)

「ちきゅう」は掘削サイトC0007での掘削を開始しました。22時30分に水深約4080mの海底に到達し、海底から8メートル上の地点から最初の水圧式ピストンコアを発射し、23時45分に最初のコアを回収しました。今後は同サイトで水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によるコア採取を行い、コアを2本採取するたびに孔内の温度計測を行う予定です。

1.13, 2008
Day: 26

天候:満天雲
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

昨夜以降、孔内の状況が悪化したため、本日早朝に掘削孔Fでの掘削を断念しました。最終深度は海底下603mでした。同じサイトで海底下600m以上の掘削を試みても今回と同じ結果に終わることになると判断し、時間的制限や掘削作業の難しさなどを検討した結果、このサイトで科学目的を達成するために、南東に約1 km離れた予備サイトNT1-03Aに移ることにしました。掘削孔Fでの作業が完了した後、新しいサイトで音響測位装置の設置作業を行っています。

1.12, 2008
Day: 25

天候:満天雲
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

昨夜から孔壁を安定させる作業を行っていましたが、22本目のコアを採取した後、孔内状況が著しく悪化し、何度かパイプが埋まる事態が発生しました。引き続き孔壁を安定させる作業を行っています。

1.11, 2008
Day: 24

天候:満天雲
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

回転式掘削(RCB)によるコア採取を続けています。回収率、コアの質ともに良好です。採取したコアのX線CTスキャン画像において断層と考えられる部分が観察されたため、そのコアはすぐに半裁しないこととし、処理方法を乗船研究者で話し合い、明日半裁する予定としました。断層を含む地帯を貫いたため、孔壁の状態が不安定になっています。さらに深くまで掘削を続けるために、この地点の孔壁を安定させる作業を行っています。

1.10, 2008
Day: 23

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削孔Fで回転式掘削によるコア採取を続け、24時00分現在で海底下533mまで掘削しています。岩相は、やや固結した泥岩で、時に火山灰層や断層、破砕された岩石も認められます。これまでに、活動時期の異なる破砕帯、断層がいくつか観察されています。コアの回収率はあまり良くありませんが、徐々に改善しています。コアの品質は地層中の破砕の程度によって大きく変わっています。

1.9, 2008
Day: 22

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

回転式掘削(RCB)によるコア採取を開始し、午前3時55分に最初のコアが船上に回収されました。現在、海底下457mまで掘削しています。回収されたコアは主に破砕された岩石やかけらですが、構造がきれいに残っている5-15 cm程度の無傷の岩石片も含まれていました。破砕帯での回転式掘削のため回収率はあまり良くなく、擾乱の程度もばらつきがあります。

1.8, 2008
Day: 21

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

引き続き、回転式掘削(RCB)による掘削を掘削孔Fで行っています。24時00分現在で海底下395mに達し、これ以深の深度におけるコア採取のための準備作 業を行っています。

1.7, 2008
Day: 20

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

回転式掘削(RCB)による掘削を掘削孔Fで開始しました。本孔では始めはコアを採取せずに掘り進み、掘削深度が伸縮式コア採取システム(ESCS)によるコア採取と重なるように海底下395mからコアの採取を開始する予定です。研究ラボでは、掘削孔Eで採取したコアの計測と記載を、あと1本を残し終了しています。

1.6, 2008
Day: 19

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

伸縮式コア採取システム(ECSC)で採取したコアは、回収率、コアの質ともに良好でしたが、地層の固結が進むにつれて貫入速度が落ちてきました。このため掘削方式を回転式掘削に変更することにしました。現在は掘削孔Fでの掘削開始に向けて、回転式掘削の編成を海底に降下中です。

1.5, 2008
Day: 18

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

伸縮式コア採取システム(ESCS)でのコア採取を続けています。回収率、コアの質ともに良好です。地層の固結が進んでいるため、孔内の温度計測と円柱状コアの熱伝導測定を中断しています。

1.4, 2008
Day: 17

天候:曇
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削孔Eでの掘削作業は順調に続いています。引き続き、伸縮式コア採取システム(ESCS)でコアを採取していますが、堆積物の固結が進んできており、コアの中に破砕された岩石や断層が観察されることが多くなっています。孔内温度計測も順調に行われています。乗船研究者はコアが船上に回収されるペースに合わせて、各種計測、記載、サンプル採取を行っています。

1.3, 2008
Day: 16

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

引き続き、掘削孔Eで伸縮式コア採取システム(ESCS)によるコア採取を続けています。コアの回収率、品質ともに安定しています。掘削による擾乱も見られますが、構造や特徴は問題なく観察できます。この状況が続く間は伸縮式コア採取システム(ESCS)でのコア採取を継続する予定です。数回行った孔内の温度計測の結果は安定していませんが、本日最後に行った計測では良いデータが取れているようです。孔内の温度計測も機器が動作し孔内の状況が安定している間は継続する予定です。船上に回収されているコアは、成層した火山灰混じりの砂、シルト、泥です。ところどころにわずかな変形構造が観察できます。

1.2, 2008
Day: 15

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

伸縮式コア採取システム(ESCS)でのコア採取を続けています。ドリルパイプからおもりとワイヤーを外してコアを回収しているため作業時間が長くなっています。これらにより掘削流体の流量をコントロールしやすくすること(コアの回収率と品質の向上)とワイヤーラインとコアラインからの漏水を減らす(ドリルフロアでの漏電を防ぐ)ことになります。孔内の温度計測はデータの記録や装置の回収に問題が発生しています。 船上に回収されてくるコアは、比較的年代が若く、火山灰を含んだ砂泥互層ですが、徐々に固結が進んできています。

1.1, 2008
Day: 14

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

トップドライブに潤滑油を送るポンプの修理が完了し、コア採取作業を再開しました。回収率、コアの質ともに良好です。孔内の温度計測(DVTP)も行いました。船上への回収作業に手間取ったりデータが欠損したりしましたが、既に原因が判明し必要な対策をとりました。温度計測は孔内の状況をみて今後も続ける予定です。


December

12.31, 2007
Day: 13

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

午前4時30分にトップドライブに潤滑油を送るポンプが故障し、掘削作業を中断し修理を行っています。研究区画での作業は順調に進んでいます。乗船研究者はこれまでに採取したコアの計測と記載を終えました。

12.30, 2007
Day: 12

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削孔Eでの水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)による掘削は、海底下79mで貫入しなくなりました。伸縮式コア採取システム(ESCS)に変更し、コア採取を続けています。このサイトでは比較的砂質の堆積物が多いにも関わらず、伸縮式コア採取システムでの試料回収率と掘削による擾乱は以前より改善しています。コア採取と併行して、孔内の温度計測を3ヵ所で行いました。

12.29, 2007
Day: 11

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削孔Eで水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)によるコア採取を続けています。コア採取用ウィンチとトップドライブの潤滑装置に問題が発生しましたが、すぐに復旧しました。砂層、シルト層、泥層の互層を含むコアを採取できています。

12.28, 2007
Day: 10

天候:雨
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

掘削サイトC0006で水圧式ピストンコアでのコア採取を開始しました。海底面のコアを採取するのが難しく、場所を5mずつ移動しながら3回目のトライでようやく成功しました。掘削孔Eで水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)でのコア採取を続けています。

12.27, 2007
Day: 9

天候:曇
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

海底をモニターするための水中カメラのテストを実施しています。その間、ラボでは、サイトC0004の掘削孔Dで採取したコアの分析処理を進めています。断層帯のサンプルは壊れやすいため、損傷しないように格別の注意を払って行っています。

12.26, 2007
Day: 8

天候:半晴
サイト:C0006 (NT1-03) (33°01’ N, 136°47’ E)

次のコア採取に向けて、「ちきゅう」は掘削サイトC0006に移動しました。掘削前に水中カメラのテストを行うため、掘削が始まるのは明日になりそうです。

乗船研究者は、掘削孔Dで採取したコアの計測と記載を続けています。断層帯を採取した貴重なサンプルについては、すぐに通常の半裁処理やサンプル採取を行わず、有効な分析方法について乗船研究者で慎重に議論しています。

12.25, 2007
Day: 7

天候:曇
サイト:C0004 (NT2-01I) (33°13’ N, 136°43’ E)

12月25日22時33分、サイトC0004の掘削孔Dにおいて目標深度の海底下400mまでのコア採取に成功しました。その後、掘削孔の終了作業を行い、本サイトでの掘削を安全に終えました。

付加体を掘削している深度では、破砕した岩石を掘削していたためコアの回収率が低かったのですが、地震探査データや掘削同時検層データから予想された断層の上部に到達した深度からはコアの回収率が向上してきました。サイトC0004での採取コアからは、非常に興味深い成果が期待できそうです。採取コアを半裁する前に得たCTスキャンの結果から判断すると、非常に重要な断層の試料を採取したことになります。次の掘削サイトはC0006(NT1-03)ですが、無人探査機(ROV)が稼動できない水深のため、掘削前に水中カメラのテストを行う予定です。

12.24, 2007
Day: 6

天候:半晴
サイト:C0004 (NT2-01I) (33°13’ N, 136°43’ E)

掘削孔Dでのコア採取は海底下305.5mまで進み、コア試料の回収率が格段に改善してきました。このコアは、試料に含まれる微化石の年代の測定により、暫定的な分析結果ですが、年代の古い地層が新しい地層の上にあり、分岐断層を貫通したと考えています。分岐断層のコアは、CTスキャン計測や間隙水採取のためのサンプリング、微生物用のサンプリング、その他非破壊計測を行った後、冷蔵室に一時的に保管しています。この試料のCT画像を用いて乗船研究者間で調整し、速やかに最適なサンプリング戦略をたてて分析を開始する予定です。

12.23, 2007
Day: 5

天候:半晴
サイト:C0004 (NT2-01I) (33°13’ N, 136°43’ E)

天候悪化による船の上下動により、コア採取作業が困難になったため、午前1時00分から6時00分まで掘削作業を中断しました。その後、掘削孔Dで回転式掘削によるコア採取を再開しました。付加体に特有の破砕された岩石がコアやドリルビットに詰まり、それを取り除く作業が必要になっています。回収されたコアも掘削によって乱されていますが、その中でも比較的大きな破片を詳しく観察すると、付加体の中の断層や剪断された岩石が採取されています。回収率と質を改善するために、コアは4.5mの長さで採取しています。船上のコア採取技術者や掘削技術者らの協力が非常に役立っています。

コアの記載、計測、サンプル採取といった乗船研究者の作業はコア回収のペースに合わせて順調に進んでいます。併行してレポートの編集作業も始めています。

12.22, 2007
Day: 4

天候:雨
サイト:C0004 (NT2-01I) (33°13’ N, 136°43’ E)

掘削孔Dで回転式掘削を開始しました。掘削孔Cでの掘削深度と確実に重複するように、海底下100mの地点からコア採取を始め、これまでに12本のコアを採取しました。付加体に到達してからの掘削では、試料の回収率が61%以下とそれほど良くありません。回収率を上げるために、通常の約半分の5m単位で回収する方法を試みています。時間が許せば、付加体の中で比較的柔らかい地層ではこの方法を使ってみる予定です。

乗船研究者は、X線CTスキャン、間隙水と微生物分析用の円柱状コアの採取、マルチセンサーコアロガー(MSCL)による計測、熱伝導率の計測と、半割してからの肉眼による記載、サンプル採取を行っています。掘削孔Cのコアでは作業はほぼ終了しました。

12.21, 2007
Day: 3

天候:曇
サイト:C0004 (NT2-01I) (33°13’ N, 136°43’ E)

掘削孔Cで水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)と伸縮式コア採取システム(ESCS)によりコアを採取しました。これらの採取されたコアの回収率はほぼ100%です。18本のコアを採取し、海底下135mに達したところで、コアの品質と回収状況が悪化したため回転式掘削に変更することにしました。掘削孔Dで回転式掘削を行うために掘削編成の変更を行っています。

乗船研究者は、掘削孔Cで採取したコアの計測と記載、さらに化学、微生物、地質、地球物理学的研究のためのサンプル採取を行っています。

2007 12.20
Day:2

天候:半晴
サイト:C0004 (NT2-01I) (33°13’ N, 136°43’ E)

5時30分にサイトC0004の掘削孔Cでコア採取を開始しました。6時00分頃に最初のコアを船上に回収し、採取したコアの分析も順調に進んでいます。コア採取システムに内蔵されたセンサー(APCT3)による孔内温度測定を3回行いました。

採取したコアの分析も問題なく開始しています。船上に回収されたコアは、まずコアカッティングエリアで切断され、キュレーター(コアの管理者)が記録を取ります。間隙水採取用の円柱状コアはこの段階で採取され、X線CT画像を確認した後、数分のうちに間隙水サンプルが採取されます。残りのコアはX線CTスキャンの後、微生物研究用のサンプルがまず採取されます。続いて非破壊で行われる各種の計測と土質評価/物性計測用の円柱状コアの採取を行い、その後コアを半割して肉眼による記載とサンプル採取を行います。

コアが記載用のテーブルに送られてくるまでの間、堆積学、物性、構造地質の科学者グループは、データを登録するデータベースシステムについて説明とトレーニングを受け、データの記載から登録までにかかる時間を短縮することができないか検討しています。乗船研究者は既に研究グループ毎に作業を開始しています。あと数時間もすれば各作業にも慣れ、コア分析のスピードも上がるでしょう。

2007 12.19
Day:1

天候:曇
サイト:C0004 (NT2-01I) (33°13’ N, 136°43’ E)

本日より第316次研究航海が開始されました。本日午後までに、研究者全員が乗船しました。安全教育や船上生活についての説明を受け、船内と研究室の設備や運営について確認を行いました。その後、24時間体制を組むために12時間の交代シフトを決め、作業を開始しています。明日未明には最初のコアを採取する予定です。