本研究会は前年度まで4回にわたって行われた「熱帯降水系研究会」を発展継承し、本年度から「全球降水システム研究会」として開催する。高精度・高解像度化するモデル研究や、今後新たな展開が期待される観測研究、知見の系統的整理の助けとなる理論研究の現状整理と今後の発展の議論を目的とする。熱帯から高緯度まで対象を広げることで、中高緯度降水系や熱帯・中高緯度の相互作用、Atmospheric Riverといった新しいトピックを取り入れる。降水システムとその周辺分野(雲・水循環・擾乱・大気海洋相互作用・気候変動など)について、モデル・観測・データ解析・理論の立場からの研究発表を全て歓迎する。
本研究会では毎回異なるサブテーマを掲げ、当日会場にて重点的に議論を行う。今回のサブテーマは「気象・気候モデルの多様性と将来展望」とする。日本では多様な気象・気候モデルが開発・利用されており、様々なサイエンスを生み出す原動力になるとともに社会に役立つ成果を生み出している。研究会世話役担当のJAMSTECにおいても特徴の異なるモデルを開発・利用することで、IPCCへの貢献や超高解像度モデリング、高精度の季節予測といった先端研究を推進している。各機関・各モデルの現場担当者をお招きしてご講演頂くことでモデル研究の現状を俯瞰するとともに、日本の気象・気候モデル開発のあるべき姿について議論を深める場としたい。