スーパーコンピュータ「富岳」の共用利用が開始して1年が経過し、早くも本プロジェクトの最終年度を迎えました。昨年度は、協力機関の東京大学地震研究所を中心に、「富岳」全系を使って、震源断層運動から地震波の伝播、表層地盤増幅、地下・地上構造物の揺れまでの一気通貫の計算が実現しました。これは、超並列計算に適した物理シミュレーションとデータ学習のハイブリッド手法を開発したことによって、「京」で行っていた解析の約1,000倍の解析効率を達成したことで実現されたものであり、HPC Asia 2022でBest Paper賞となった成果です(Ichimura, Fujita et al., 2022)。最終年度は、超大規模計算で、地震発生予測やシナリオ評価に不可欠な、地殻変動計算に取り組むとともに、国や企業による「富岳」の活用を実現します。