平成11年4月5日
海洋科学技術センター
「海底地震総合観測システム(2号機)」の北海道釧路・十勝沖への設置について

 海洋科学技術センター(理事長 平野 拓也)は、政府の地震調査研究推進本部(本部長:有馬朗人科学技術庁長官)の基盤的調査観測等の推進の一環として、北海道釧路・十勝沖の海底に、「海底地震総合観測システム(2号機)」(以下、同システム)を設置し(別図1)、同海域での地震及び津波活動の観測に着手することを決めた。
 同システムは、北海道釧路・十勝沖の海域において、総延長約240kmの海底ケーブルの途中に、海底地震計及び津波計等をつなぎ込み(別図2)、観測データをリアルタイムで北海道白糠郡音別町に建設する陸上局まで伝送するもの。観測されたデータは、神奈川県横須賀市にある海洋科学技術センターにリアルタイム伝送され、海底変動等の総合的研究に用いるとともに、気象庁へも同時に伝送され、地震活動の観測業務にも用いられる予定。同システムは、平成9年3月に高知県室戸岬沖に設置された1号機システムに引き続き2番目となる。
 北海道釧路・十勝沖では、1952年のマグニチュード8.2の十勝沖地震など大地震がたびたび発生していたが、今まで、同海域には定常的な地震・津波観測点がなかった。今回、同システムを設置することにより、北海道釧路・十勝沖で発生する地震活動を精度良く捉えることが可能になるとともに、津波の観測研究の一層の進展が期待される。本年4月から、陸上局の建設を開始する。さらに、本年夏に同システム本体を設置し、秋から運用を開始する予定である。