お知らせ
平成12年4月28日
海洋科学技術センター
高緯度海域(ロシア排他的経済水域内を含む)における海洋地球研究船「みらい」での物質循環研究の実施について
海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)は、平成12年5月初旬から6月初旬にかけ、ロシア排他的経済水域を含む北西部北太平洋及びオホーツク海において、初めて当センター所有の海洋地球研究船「みらい」による、高緯度海域における物質循環研究を行う予定です(資料1、資料2)。
本調査海域は、荒天による活発な大気-海洋のガス交換、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収する大きな生物生産、吸収されたCO2を横に運ぶ中層水の形成域等で特徴づけられる極めて重要な海域です(資料3)。
今回の観測では、北太平洋のCO2を中心とした物質の循環過程に着目しています。
これにより、北西部北太平洋における海洋観測に新たな局面が開かれることになり、物質循環研究の今後の成果が期待されます。
尚、これまでの同海域での我が国の海洋観測船による調査は、ロシア船の傭船に頼らざるを得ない状態でしたが、平成11年6月に東京において日露科学技術協力委員会が関係省庁の出席のもと開かれ、「北太平洋における炭素循環」が研究協力課題として取り上げられました。これを受けて当センターは、8月からロシアのEEZ(Exclusive
Economic Zone:排他的経済水域) 内における海洋観測の許可申請を行い、この度ロシアより観測許可を得、「みらい」での物質循環研究のための観測が実施できる事となりました。
今回の観測航海には、11研究機関(国内9、ロシア1、米国1)から、25名の研究者が乗船予定です。
問い合わせ先
海洋科学技術センター
海洋観測研究部 日下部
電話:0468-67-5505
総務部普及・広報課 他谷,小林,木村
電話:0468-67-3806